ZEISS INSPECT - 機能の概要

ZEISS INSPECTは、作業を簡素化する幅広い機能で測定の課題に応えるソフトウェアです。 このページでは、ZEISS INSPECTでできることをすべてご紹介します。

ZEISS INSPECTの一般的な検査機能

ZEISS INSPECTは、あらゆる測定の課題に応える検査ソフトウェアです。ZEISS INSPECTには、全バージョンの基礎となる様々な機能があります。すべてのバージョンでZEISS INSPECT Optical 3Dの使用、ZEISS INSPECT X-Rayによる体積データの解析、ZEISS INSPECT Airfoilを用いたタービン特性の検査が可能です。

無料で利用可能な機能

CADインポート

設計エンジニアは、CADモデルを使用してコンポーネントに命を吹き込みます。2Dの図面とは違い、3Dモデルはコンポーネントのすべての寸法を定義します。また、CADモデルはプロトタイプやコンポーネントの設計と製造に使われるだけでなく、最適な生産工程の計画にも役立ちます。CADインポートによりCADファイルを簡単に使用でき、ZEISS INSPECTではIGES、JT Open、STEP、STL、VDA、PLYなどの中間形式のインポートが可能です。 データ形式をドラッグ&ドロップでインポートすると、ソフトウェアによって形式が自動的に識別 指定されます。

CADインポート

アライメント

ZEISS INSPECTでは、デフォルトのすべてのアライメントに従ってデータのアライメントを行うことができます。これには、RPSアライメント、幾何学的要素に基づく階層的アライメント、参照点を使用したローカル座標系でのアライメント、さらにグローバルベストフィットやローカルベストフィットといった様々なベストフィット処理があります。また、タービンブレードの場合はバランスビームや均等アライメントなど、カスタムのアライメントも使用可能です。

アライメント

公差設計と幾何公差

公差設計と幾何公差は、測定技術者にとって信頼性の高い部品検査の枠組となるものです。ZEISS INSPECTの各種機能により、データムシステムに基づいて部品のサイズ、形状、位置を総合的に分析し、平面度、平行度、円筒度を簡単に検査できます。 2点間距離と最大材料要件の標準解析に加えて、ローカルデータムとローカル座標系における位置公差の検査も可能です。ZEISS INSPECTはISO・ASME規格に対応しており、規格の改訂はソフトウェアに適時実装されます。

公差設計と幾何公差

メッシュの編集

視覚化、シミュレーション、表面再構成、設計値と実測値の比較には、完全な3Dメッシュが必要です。ZEISS INSPECTは、点群を使ってこのメッシュを計算します。また、3Dメッシュは、複数の異なる測定機からの測定結果を用いた、バーチャルな組み付けの基礎となるものです。最大限の互換性を提供していますので、STL、G3D、JT Open、ASCII、PLYなど、現在利用可能ないずれの形式でもデータを保存していただけます。

メッシュの編集

変形の強調表示

突起、膨らみ、へこみ、溝などの変形をハイレリーフで塑性的に視覚化することで、3D測定値の定性分析が容易になります。

変形の強調表示

曲線検査

ZEISS INSPECTは、点ベースの検査と表面ベースの検査の間に生じるギャップを埋めるものです。曲線の構築機能を使用して、その特性を視覚化できます。エッジ曲線の測定、R面およびキャラクターラインの解析、またスプライン曲線の作成が可能です。この曲線ベースの検査から、フラッシュとギャップの分析も導き出すことができます。

曲線検査

レポート作成

ZEISS INSPECTのレポートモジュールでは、分析結果を印刷可能な文書として、または完全にアニメーション化されたPDFとしてエクスポート可能です。プロジェクトファイル全体を共有して考察を提供したり、結果をやり取りしたりできます。

レポート作成

Proライセンスご契約で利用可能な一般機能

ネイティブCAD形式

ベーシックなCAD形式と、CATIA、NX、SolidWorks、Pro/Eなどのネイティブ形式の両方を、ドラッグ&ドロップで簡単にインポートできます。データを変換する必要がないため、作業がより効率的になります。また、製品ライフサイクル管理(PMI)で収集した追加のプロセス・部品情報のデジタル転送やコンテキストに応じた評価も可能です。CADデータのインポート中に測定プランが作成され、プログラミングの手間が省けるほか、測定プランのインポートもできます。

ネイティブCAD形式

パラメトリック評価

ZEISS INSPECTはパラメトリックな基本コンセプトに基づいており、すべてのプロセスのステップを遡って修正することができます。この利点により、測定結果とレポートに関する高いプロセス信頼性が保証されます。

パラメトリック評価

公差設計・幾何公差用エキスパートフィルタ

ZEISS INSPECTのフルバージョンでは、公差設計と幾何公差の解析用のエキスパートフィルタを追加で利用でき、評価がさらに簡単になります。

公差設計・幾何公差用エキスパートフィルタ

Pythonインターフェース

単調な検査タスクの繰り返しに飽き飽きしていませんか?統合されたコマンドレコーダーが、実行したすべての操作を記録し、Pythonスクリプトに変換します。スクリプトは他の要件に合わせて修正して、何度でも実行できます。複雑な科学的計算をする必要がある場合は、 NumPy、SciPy、Matplotlibなど、無料のPythonライブラリを統合し、利用可能なテンプレートをお使いいただけます。

Pythonインターフェース

プロジェクトテンプレート

検査工程全体を複数の部分に移行できます。ZEISS INSPECTのパラメトリックな基本概念により、追加の工程ステップや調整は必要ありません。さらに、検査をプロジェクトテンプレートとして保存できるため、何度も繰り返し使用したり、同僚と共有したりできます。

プロジェクトテンプレート

ZEISS INSPECT Optical 3Dの機能

写真のようにリアルなレンダリング

実際の使用条件で部品を分析することができます。屋内外を問わず、ソフトウェアが現実的な照明条件や影の画像を提供します。

写真のようにリアルなレンダリング

デジタル組み付け

部品がどこで製造されているかに関係なく、デジタルに組み付けができます。したがって、別の生産施設で製造された部品や、異なるサプライヤーの部品でも確実な組み付けが可能になります。デジタルな組み付けにより、組み付けプロセスが改善し、問題が早い段階で視覚化されます。

デジタル組み付け

ソフトウェアベースの動作補正

ZEISS INSPECTは、測定の妨げとなる可能性のある部品の動きを効果的に排除し、測定作業と結果の出力スピードをアップさせます。

ソフトウェアベースの動作補正

バーチャル測定室(VMR)

すべての光学式測定機械を一元的に制御し、測定計画を立てることができるバーチャル測定室では、実際の部品をモデル化し、自動化された測定手順を実行できます。 すべてのロボットドライブは、衝突を防止し、可能な限り効率的にドライブを実装するために事前に分析されます。

バーチャル測定室(VMR)

仮想クランプ

固定治具なしでクランプ状態を測定することで、作業の効率化とコスト削減が実現します。ZEISS INSPECTで部品のクランプ状態を計算することで、固定治具を製作する手間がなくなります。

仮想クランプ

オートサーフェス

スキャンした部品のCADモデルが必要な場合は、ZEISS INSPECTのオートサーフェス機能をご利用ください。 この機能を使用すれば、スキャンデータを高精度のCADモデルに簡単に変換できます。このモデルは、CADデータを必要とする他のすべてのプロセスステップ(シミュレーションなど)で使用でき、CADはSTEPファイルとしてエクスポート可能です。

オートサーフェス

ZEISS INSPECT X-Ray

ボリュームインポート

お使いのコンピュータ断層撮影システムに関わらず、ドラッグ&ドロップで現在利用可能なすべてのデータ形式をインポートできます。データの変換に長い時間を費やす必要はもうありません。

ボリュームインポート

ボリュームの高度な可視化

ZEISS INSPECT X-Rayでは、レイヤーごとに移動しながら部品を可視化できます。ボリューム詳細ビューでは、部品の詳細を一つひとつ検査し、関連情報を動画で記録可能です。また、カラー表示をカスタマイズすることで、ボリューム内の部品特性や材質を明確かつ鮮明に可視化することができます。

ボリュームの高度な可視化

マルチビュー

ZEISS INSPECT X-Rayには4つの作業エリアがあり、マルチビュー機能で作業エリアを自由に細分化できます。 ボリュームスライスは3Dビューや表、その他任意のビューと組み合わせることができ、 すべての作業エリアで欠陥の測定または検査が可能です。

マルチビュー

ボリュームエリア分離/バッチスキャン

同じシリーズの複数の部品を同時にスキャンできます。自動化されたボリュームエリア分離により、スキャン後にデータが並べ替えられるため、 スキャンに費やしていた貴重な時間を節約しながら、通常通り部品を分析することが可能になります。

ボリュームエリア分離/バッチスキャン

関心領域

特に複雑な部品に関しては、組み付けをデジタルで解体し、特定の公差で個々の要素を検査することが合理的です。ZEISS INSPECT X-Rayにより、様々な領域ごとに効率的な細分化が行えます。

関心領域

強化された欠陥解析

ZEISS INSPECT X-Rayは、表面の評価から公差設計と幾何公差や幾何学的寸法の検査まで、内部の構造も含めて部品のあらゆる分析をサポートします。部品のCADデータ(STEP/IGES)をインポートすることで、設計データと実測データを効率的に比較できます。

強化された欠陥解析

動画レポート作成

分析結果を動画で発表することにより、インパクトを与えることができます。レイヤーごとに移動しながら部品を可視化し、複雑な分析結果を伝えるユニークな方法をご活用ください。

動画レポート作成

ZEISS INSPECT Airfoil

ブリスクの評価

ZEISS INSPECT Airfoilは、ブリスクやドラムの複雑な測定手順を効率的に行えるソリューションです。多数の断面や点がある部品でも、複雑な形状の部品でも、検査精度には全く影響しません。このソフトウェアは、全範囲にわたるデータと、より迅速で信頼性の高いプロセスでブリスク製造のすべての領域を改善します。操作方法は、1つのブレードの特定の検査を作成し、ブリスクの他のすべてのブレードに転送するだけです。また、自動化された位置生成によりブリスク全体の測定が容易になり、その結果、検査が簡素化されるという大きなメリットがあります。

ブリスクの評価

3Dスロート面積

スロート面積のデジタル解析がついに実現しました。ZEISS INSPECT Airfoilは、2つの翼形間のスロート面積の3D計算をサポートします。計算された最小表面積に基づいてスロート面積の3D測定を行い、それを表示します。これは現在のところ、部分的な表面か完全に閉じた通路かに関係なく、幾何学的および空気力学的なスロート面積の相関を作り出す最も正確な方法です。


仮想バランス調整

実際の組み付けの前に、ブリスクの翼の理想的な順序を決定することができます。デジタルツインを使用することで、ブリスクをデジタルで組み付けて、バランスの崩れを防ぐことが可能です。