
低加速電圧(Low kV)で真の試料表面イメージングを実現
ZEISS Gemini 3導電性コーティングが施されていない非導電性、および磁性を有する表面において、高分解能のSEM(走査電子顕微鏡)イメージングは、試料のトポグラフィー情報を妨げることなく調査できるため、望ましいとされています。
真の試料表面を高分解能で画像化するためには、低加速電圧の使用が推奨されます。しかしながら、低加速電圧(Low kV)または超低加速電圧(Ultra-Low kV)を用いたSEMイメージングには、次のような課題が伴います。
・S/N比が低い
・画像の解像度が低い
・低エネルギービームのアライメント不良によって画像が歪む
これらの課題に対して、ZEISS Gemini 3カラム搭載の新しいナノツインレンズとスマートオートパイロット(新しい電子光学エンジン)の組み合わせが相乗効果を発揮します。低加速電圧(Low kV)および超低加速電圧(Ultra-Low kV)で非導電性表面や磁性表面のサブナノメートル分解能のイメージングを可能にする様子をご覧ください。

Gemini 3カラムとは
Gemini 3 光学系は、低加速電圧での分解能とコントラスト向上のために最適化されているため、試料が電磁場に影響されることなく、1 kV以下のサブナノメートルイメージングが可能になりました。1 kV~30 kVのあらゆる観察条件下で最高の分解能が保証されます。
Gemini 3 は、相乗効果を発揮する2つのコンポーネント、「ナノツインレンズ」と、新しい電子光学エンジンである「スマートオートパイロット」で構成されています。
ナノツインレンズは、低加速電圧でサブナノメートルの分解能を実現し、優れた信号検出効率を発揮します。そのため、標準的な Gemini 対物レンズと比較して、低加速電圧でのレンズ収差が大幅に低減され、Inlens検出器の信号が強化されます。ナノツインレンズとの組み合わされたスマートオートパイロットは、コンデンサレンズを制御し、ビーム収束角を最適化します。これが各観察条件において最高の分解能を実現します。
また、広視野のオーバービューモードにより、試料ナビゲーションと高分解能イメージングをシームレスに切り替えられ、新しいオートフォーカス機能により、高速で最適な画質を実現できます。
ダウンロードいただける技術資料一覧
ZEISSの低加速電圧イメージングをさらに知っていただくために、ダウンロードいただける技術資料をご用意いたしました。
・500V低加速電圧イメージングの利点(ZEISS FE-SEM)
ZEISSのフィールドエミッション走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いた低加速電圧、超低加速電圧イメージング技術について説明します。ポリマー、リチウムイオン電池のセパレータ膜、グラファイト、酸化鉄粒子、シリカナノカプセル、アルミナ粒子、キチンなどの材料サンプルにおいて、低加速電圧イメージングがサンプルの損傷や帯電をいかに防ぐかが示され、特に、ZEISS Gemini光学技術を活用することで、500Vから2kVの範囲で高解像度かつ表面感度の高いイメージングの実現について述べています。
低加速電圧反射電子イメージングの利点(ZEISS GeminiSEM)
低加速電圧反射電子(BSE)イメージングの利点を説明します。従来の高加速電圧(5kV以上)でのBSEイメージングと比較して、低電圧では相互作用体積が大幅に減少し、表面感度が向上します。そのため、材料コントラストを維持しながら、空間分解能が向上します。ZEISS GeminiSEM 300/500は、500Vまでの低電圧で効果的なBSEイメージングを可能にし、材料コントラストやトポグラフィー情報を高解像度で取得できます。
・非導電性生物試料の低電圧イメージング(ZEISS GeminiSEM)
非導電性でビームに敏感な生物試料を低加速電圧でイメージングする技術について説明します。低加速電圧(50eV~5kV)を使用することで、表面感度が向上し、ビーム損傷や帯電が最小限に抑えられます。ZEISS GeminiSEMファミリーの技術を活用することで、コーティングなしでも高解像度の構造情報を取得可能です。
・磁性試料のイメージングにおけるGemini光学技術の利点(ZEISS FE-SEM)
磁性試料をZEISS FE-SEMでイメージングする際の課題と解決策について説明します。磁性試料は、適切に消磁されていれば高解像度でイメージング可能です。Gemini光学技術は、レンズの収差を低減し、高解像度を実現する設計となっており、磁性試料のイメージングにおいても安全かつ効果的です。
・ペロブスカイト触媒のナノ粒子イメージング(ZEISS FE-SEM)
ペロブスカイト触媒におけるナノ粒子の構造と形態を正確に把握するためのイメージング技術について説明します。ZEISS SigmaおよびGeminiSEMシリーズを使用し、低加速電圧と適切な検出器を選択することで、触媒活性や安定性を評価するための詳細な画像が取得可能です。特に、Inlens SE技術がナノ粒子の装飾を観察する上で重要であるとされています。
上記資料に加えて次の資料を追加しました。本資料のみ全文日本語です。
・電池材料のイメージング方法:ZEISS FE-SEM を用いたNMC、LFP、LCO カソードの低加速電圧での特性評価
本資料は、FE-SEMを用いたNMC・LFP・LCOカソードの粒子、バインダー、アルミ集電箔を低加速電圧で高精度に評価するための実践ガイドです。加速電圧・検出器(SE/Inlens)・作動距離の最適条件を具体例とともに示し、2 kVでの粒子観察、Inlens 500 Vでのバインダー可視化とセグメンテーション、SEでの集電箔評価、SEM-EDSによる元素マッピングの活用法をご紹介します。電池材料の研究開発や製造・品質評価の効率化に貢献します。
低加速電圧イメージングのウェビナー視聴 / 資料ダウンロード
下記フォームよりご登録のうえ、ご視聴 / ダウンロードください
視聴/ダウンロードページでは、現在展開中のセールスキャンペーンフライヤーもダウンロードいただけます。キャンペーン詳細をご希望の場合、「弊社担当者に相談したい」項目を「はい」にしてご登録ください。