ZEISS LSM 980 with Airyscan 2

マルチプレックス機構による超高速・高解像を両立

ライフサイエンス研究では困難な課題に向き合わなければならないことがあります。神経科学、癌研究、その他の細胞や生物に関する分野であれば、研究のために共焦点顕微鏡のデータが必要となることがあるでしょう。CRISPR / Casなどの新しいテクノロジーは、革新的な発想を切り開き、まったく新しい科学的な課題に挑戦することを可能にし、イメージングの実験にも大きな影響を与えています。3D培養、スフェロイド、オルガノイド、さらには生物全体のような生体モデルに対して、可能な限りダメージを与えずに生命現象を観察するには、標識濃度を低くする必要があります。また同時に、光学セクショニングと低い光毒性および高速性を組み合わせた3Dライブセルイメージングが必要となります。そして結論を導く統計データを得るために、実験を何度も繰り返す必要があります。それはつまり、ハイスループットが必要になるということもすぐに明らかになるでしょう。

新しいAiryscan 2を搭載したLSM 980は、4Dイメージング用として最適な共焦点顕微鏡です。光路全体が最も高い光効率で複数の弱い標識のスペクトルを同時に検出するために最適化されています。新しいマルチプレックスモードのAiryscan 2により、イメージングのオプションが増え、実験の幅が広がります。今までよりも短い撮影時間で、より広い視野を超解像で、サンプルへのダメージ少なくイメージングすることができます。多くのソフトウェアのヘルプツールがワークフローを最適化し、効率的な撮影とデータ管理をサポートします。ZEN Connectを使用すると、実験の詳細をすべて記録して共有することができます。オーバービュー画像、ROI、および追加データを組み合わせることによって、イメージングモダリティ間においても常に画像の相関を把握することが可能となります。

Highlights

  • より高品質のデータをより高速で

 

新しいAiryscan 2のマルチプレックスモードを使用すると、より短時間でより多くの情報を手に入れることができます。高性能の光源および検出方式により、回折限界を超えて、高いフレームレートで最も困難な3D試料のイメージングが可能。

また同時に、ダメージを受けやすい試料であっても、低ダメージでイメージングすることができます。柔軟性の高いポイントスキャン共焦点と、高速で低ダメージ、高感度のAiryscanエリア検出器を組み合わせることにより、超解像で8倍も速くデータを取得することが可能になります。



 

 

 

脳上衣細胞運動性繊毛の143フレーム/秒のライブイメージング。繊毛運動の方向と周波数の詳細な分析のため、画質とスピードを兼ね備えたAiryscan CO-8Yモードでイメージング。
© Courtesy of G. Eichele, Max Planck Institute for Biophysical Chemistry, Göttingen, Germany

  • 生産性の向上

 

共焦点顕微鏡を用いた複雑なライブセルイメージング実験の設定が、これまでになく簡単になりました。最新バージョンのZENイメージングソフトウェアの豊富なソフトウェアヘルプツールを用いて、新しいAiryscan 2搭載のLSM 980をコントロールし、より自由に操作できるようになります。これまで以上に簡単に速く操作することができ、最短時間で再現性のある結果を得ることができます。

Smart Setupと新しいSample Navigatorを使用すると、関心領域をすばやく見つけてイメージングすることができ、より多くの時間を本来の目的であるデータ取得に費やすことができます。Direct Processingにより、データ取得とデータ処理を同時に行うことが可能になります。ZEN Connectにより、イメージング中も、その後の実験の全体の流れを共有するときも、常に最新の状態を把握することができます。どのソースからの画像でも簡単にオーバーレイして構築することができます。

イメージング中にZEN Connectがどのように状況を把握するのに役立つかをご覧ください。オーバービュー画像の取得から関心領域(ROI)の定義まで、さらには、異なるイメージングシステム間で切り替えるときでも。時間を節約し、常に状況を把握することができます。

  • より感度の高い画像

 

LSM 980は、最も困難な試料をイメージングするために、2つの点で最高性能を実現します。ひとつはLSM 9ファミリーの光効率の良いビームパスと最大34チャンネル同時検出可能でスペクトル柔軟性のある共焦点顕微鏡です。これにより、弱いシグナルでも最高感度でイメージングすることができます。

加えて、この共焦点顕微鏡と新しいAiryscan 2のマルチプレックスモードを組み合わせることができます。この画期的な方法によって進歩した共焦点顕微鏡で、試料からより多くの情報をより短時間で取得することが可能になります。超解像のためにピンホールを閉じる必要がなくなり、共焦点4Dイメージングはさらに光効率が良くなります。すべての試料から最高品質のデータを取得することができます。

 

 

HeLa cells stained for DNA (blue, Hoechst 44432), microtubules (yellow, anti-tubulin Alexa 488) and F-actin (magenta, phalloidin Abberior STAR Red).

DNA(青、Hoechst 44432)、微小管(黄色、anti-tubulin Alexa 488)およびF−アクチン(マゼンタ、phalloidin Abberior STAR Red)で染色したHeLa細胞。ZEISS Airyscan 2のマルチプレックスモードで、広い視野を効率的に超解像イメージング。
©A. Politi, J. Jakobi and P. Lenart, MPI for Biophysical Chemistry, Göttingen, Germany

柔軟性が高く、高感度な共焦点顕微鏡

 

Airyscan 2搭載の共焦点顕微鏡LSM 980のビームパス設計および各コンポーネントは、最高の感度と柔軟性、および最大13フレーム/秒を実現するように最適化されています。リニアスキャナにより、試料は均一に励起光照射され、スキャン時間の80%以上が効率的なシグナル取得のため使用されます。

ツインゲートメインダイクロイックビームスプリッタを特別な低い角度で配置することにより、迷光を抑え、常に鮮明なコントラストを実現します。試料からの貴重な放出光子を全て確実に収集するため、蛍光波長の検出範囲を励起レーザーの波長に拡張することさえ可能です。

 

LSM 980では3、6、または34チャンネルのQuasar検出器に蛍光が導かれ、そこで色素の組み合わせから得られるすべてのシグナルが測定されます。標識ラベルの蛍光検出帯域をナノメートル精度で合わせます。34チャンネルのシングルラムダスキャンでオーバーラップしている標識ラベルまたは自家蛍光を取得してから、Linear Unmixingでそれらを分離します。

試料に対する露光量を最小限に抑えつつ、共焦点イメージングを高速化させることができます。LSM 980では、高感度GaAsP検出器の改良された量子効率と優れたダイナミックレンジを利用することが可能。また、感度の向上、ハイスピード、超解像のためAiryscan 2を追加し、すべてのイメージングモードを1つにまとめることができます。

Airyscanの原理

Principle of airyscan

従来の共焦点レーザースキャン顕微鏡は、1点を照射して、試料を順次スキャンします。顕微鏡光学系によって、各点は広がりのあるエアリーディスク(エアリーパターン)に変換されます。ピンホールがこのエアリーディスクを空間的に制限し、非焦点面の光が検出器に到達するのをブロックします。ピンホールを絞っていくことにより、より高い解像度が得られますが、その代わり検出する光子はより少なくなります。これらの光子は、例えばデコンボリューションによって、回復させることはできません。

Airyscan 2は、32個の同心円状に配置された検出エレメントからなるエリア検出器です。このため、より多くのエアリーディスクを一度に取得することが可能となります。共焦点ピンホール自体は開いたままで光をブロックしないため、より多くの光子を収集することができます。このため、イメージング中にはるかに高い光効率を達成できます。Airyscan 2は、高感度でダメージの少ない超解像イメージングを実現します。

新しいAiryscan 2のマルチプレックスモードの機構

ZEISSのAiryscan 2搭載のLSM 9ファミリーには、より多くのオプションが追加されており、実験ニーズに合わせてイメージング速度と分解能を選択できます。共焦点エリア検出器と高性能の光源および読み出し方式を組み合わせることで、さまざまな並列オプションから選択することができます。

新しいマルチプレックスモードは、ピクセルを並列で読み出ししている間も、励起レーザースポットの形状とそれぞれのエリア検出器エレメントの位置に関する情報から、より多くの空間情報を取得します。これにより、視野全体にわたって励起レーザーをスキャンするときに、取得スピードが向上します。

実際、ピンホール面でキャプチャされた大量の空間情報により、取得時よりも優れた解像度で最終画像を再構成することが可能となります。Airyscan 2のマルチプレックスモードでは、1回のスキャンで最大4ラインの超解像画像情報を高いSN比で取得することができます。

Airyscan 2搭載のLSM 980では、励起レーザースポットを引き伸ばして8ラインを同時にイメージングすることができます。このハイスピード性能によって、シングルスライスの超高速タイムシリーズ、広い領域の高速タイリング、または高速4Dイメージングが可能になります。

マルチプレックスモード

LSM 980 Airyscan SR Multiplex SR-4Y Multiplex SR-8Y Multiplex CO-8Y
並列処理

1

4

8

8

分解能

120/120

140/140

120/160

Confocal or better

最大視野における最大フレーム数/秒

0.2 (Zoom 1.7)

1.0 (Zoom 1)

2.0 (Zoom 1)

9.6 (Zoom 1)

抗体ラベル、微細構造

+++++

++++

+++

++

抗体ラベル、タイリング

++

++++

++++

+++

ライブセルイメージング

++

+++

++++

+++++

Applications

ZEISS LSM 980 at Work

ヒトデ卵母細胞における減数分裂
深さ情報を色分けして52μmのサブセットを表示。減数分裂中のヒトデ卵母細胞。ヒストン1-Alexa 568で標識した染色体の輸送を表示。Airyscan CO-8Yモードで2.4秒ごとに67μmのzスタックを取得。染色体輸送に付随して、核小体(大きな球状構造)が分解。

ヒトデ卵母細胞における減数分裂
3Dレンダリングは、z軸(最大強度)と時間(カラーコード)でプロジェクション。核内の染色体の動きを表示。
©P. Lenart, MPI for Biophysical Chemistry, Göttingen, Germany

卵母細胞は初期の胚発生に必要な全ての栄養素を貯蔵しているため、細胞自体が非常に大きく、また大きな核を有しています。また、卵母細胞は受精前に分裂する必要があります。この非常に大きな細胞がどのように細胞分裂するか、それがP.Lenart研究室の研究テーマです。
彼らは、驚くべきことに、卵母細胞核内に散在する染色体を集めるためにアクチンネットワークが必要であることを示しました。それから染色体は微小管に渡され、微小管が染色体と結合し、それらを紡錘体上に整列させます。アクチン駆動輸送期と微小管駆動輸送期では非常に速度が異なるため、染色体の動きを追跡することで他の特性も識別することができます。

染色体は直径80μmの球状の核内に散在しており、約15分かけて輸送されます。そのため、これをイメージングすることは困難ですがやりがいのある挑戦です。2005年には、45秒ごとにスタックを取得することに成功しました。これは、アクチン駆動期と微小管駆動期を区別するのに十分でした。ここに示した新しい、高解像度のイメージングにより、輸送メカニズムの詳細について解明できると期待しています。

Peter Lenart

tissue explant of ependyma from the ventricular system of a mouse brain

このZEN Connectプロジェクトは、マウス脳の脳室系の上衣の組織外植片を用いて行われた実験を記録しています。実験セッションのすべての取得データはコンテキスト内に保持されます。カメラおよびLSMによるオーバービュー画像から、取得した繊毛運動の試料内の位置を正確に記録することが可能。上衣壁に沿って繊毛が生成した流れのフローマップをリファレンスとして追加しています。

overview of fluorescently labeled motile cilia on ependyma tissue explant from the mouse brain

マウス脳の上衣組織外植片上の蛍光標識された運動性繊毛。関心領域を見つけるためのオーバービューは、Airyscan 2のマルチプレックス CO-8Yモードで、高速タイリング。Z-スタックは、深さ情報を色分けして表示。取得した運動性繊毛の正確な位置を記録。

脳上衣の蛍光標識した運動性繊毛の143フレーム/秒のライブイメージング。繊毛運動の方向と周波数の詳細な分析のため、画質とスピードを兼ね備えたAiryscan CO-8Yモードで画像取得。
©G. Eichele, Max Planck Institute for Biophysical Chemistry, Göttingen, Germany


© Courtesy of M. Paoli, Galizia Lab, University of Konstanz, Germany

ゴキブリの脳、胸部および腹部の神経節は、腹側神経索を形成する上行および下行介在ニューロンの両側性結合束によって互いに結合されています。準備にあたり、左右の結合束を食道下神経節後方でそれぞれ標識(Alexa 488:緑、Alexa 647:マゼンタ)。そして、脳の同側および対側の部分全体(DNA をDAPIで標識:シアン)と異なる神経網中での神経支配の拡大を観察しています。

Tiling and Stitchingを使用して、全ボリューム(3x2.3x0.26mm)をイメージング。大きなデータセットの3Dレンダリングと分析に最適なarivis Vision 4Dを使用して、全データセットの3Dアニメーションを作成。arivis Vision 4Dの4D Viewerは、個々のチャンネル表示を独立して調整して、特定の特徴を強調することができます。

これらの設定は、クリッピングプレーンや個々のチャンネルの不透明度とともに、キーフレームに保存され、ソフトウェアが自動的にそれらの間を補間してシームレスなアニメーションを作成します。これらのアニメーションは、高解像度ビデオレンダリングの前にプレビューおよび編集をすることができます。

Downloads

ZEISS LSM 980 with Airyscan 2

Your Next Generation Confocal for Fast and Gentle Multiplex Imaging

34 Pages
Filesize: 10,887 kB

The Basic Principle of Airyscanning

22 Pages
Filesize: 1,473 kB

ZEISS LSM 9 Family with Airyscan 2

11 Pages
Filesize: 3,114 kB