ZEN coreは、ZEISSのすべての光学顕微鏡および電子顕微鏡に対応した制御ソフトウェアで、相関顕微鏡や高度な画像解析を可能にします。
ソフトウェア

ZEN core

コネクテッドマイクロスコープのためのソフトウェアスイート

ZEN coreは、ZEISSのすべての光学顕微鏡および電子顕微鏡の操作に対応した統合ソフトウェアです。統一されたグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)で、顕微鏡をシンプルに操作できます。高い柔軟性を備えたソフトウェアスイートにより、必要な顕微鏡ワークフローを正確に実行することが可能になります。

研究ラボから製造現場まで

ZENは「ZEISS Efficient Navigation」の略称です。ZEN coreを使用すれば、より有意義な情報を得ることができ、特に、複数のユーザーがいる研究ラボでは生産性が向上します。また、データの再現性と信頼性が高まるだけでなく、複数の装置や場所からのデータを結び付けることができます。ZEN coreは、効率的かつ包括的な顕微鏡ワークフローを実現するエコシステムです。

特長

  • イメージング

    撮影は簡単、UIはニーズに合わせてカスタマイズ可能
    材料ラボにおいて、埋込みおよび研磨された金属合金試料の断面を、デジタルズーム顕微鏡ZEISS AxioZoomをZEN coreのジョブモードで操作して撮影します。

    機器の操作が簡単で、迅速に画像を取得し、あらゆる試料を効率的にイメージングできます。ZEN core独自の特長の1つに、ZEISSの光学顕微鏡、走査電子顕微鏡、および集束イオンビームSEMのすべてに共通のGUIを搭載している点が挙げられます。つまり、統一されたインターフェースに慣れてしまえば、違う装置を使用する際も追加のトレーニングは必要ありません。特に、スキルレベルの異なる複数のユーザーがいる環境では、この柔軟な統合型ソフトウェアが非常に有用です。また、ラボやイメージング施設における生産性が向上します。


    • ZEISSの顕微鏡・顕微鏡カメラの操作が簡単
    • ラボ環境のニーズに対応するユーザーインターフェース
    • タスクに合わせて自由に構成可能
  • 解析

    広範囲イメージングからAIベースの解析まで幅広く対応
    ZEN coreによる粒径の解析。

    ZEN coreを使用すれば、高度なイメージングタスクや画像の後処理解析を迅速に実行できます。光学顕微鏡を使用する場合は、内蔵の自動画像取得ルーティンにより、一貫性のある結果を提供する再現性の高い高度なワークフローを利用可能です。ZEISS SEMやFIB-SEMでは、どのユーザーでも標準ワークフローを実行できます。


    • 自動パノラマ取得やタイル画像取得機能を使用して、大面積の画像を簡単に取得
    • 多相分析、層厚測定、または粒界解析などでも、機械学習や深層学習アルゴリズムを活用した自動画像セグメンテーションを簡単に実行
    • マルチチャンネル取得、GxP、または技術的な清浄度分析など、特定の研究や品質管理の課題に対応するアプリケーションツールキットが利用可能
  • コネクティビティ

    コネクテッドマイクロスコープのためのスマートソリューション
    ZEN coreによって、コネクテッドマイクロスコープの使用が可能に。ZEISSの実体顕微鏡、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡を操作して、異なるモダリティ間でのデータの関連付けや可視化、モバイルアクセスを介したデータの解析が可能です。

    貴重な解析データを一元管理することで、機器、ラボ、場所を問わず活用できます。ZEN coreは、コネクテッドラボ環境のためのスマートソリューションです。ZEN coreの統一されたGUIを、あらゆる顕微鏡機器の様々なアプリケーションと連携させることで、マルチモーダルデータの整合性が向上します。

    相関顕微鏡法、データ管理、データベースコネクティビティをサポートするツールキットには、以下の利点があります:


    • 複数の場所・機器間で画像や分析データを相関
    • マルチユーザー環境で異なるスキルレベルのユーザーを管理
    • モバイルアクセスを通じて、データを探索・可視化し、スケール間やモダリティ全体で体系化
    • ZEN coreの強力なドキュメンテーション機能により、完全自動でレポートを作成
Tim Schubertのプロフィール画像

ZEN coreは、明確で直感的な操作コンセプトと高度な機能を備えた、相関顕微鏡のための革新的なソフトウェアプラットフォームです。様々な顕微鏡機器のデータを処理できるため、あらゆる種類のイメージングシステムに対応します。このソフトウェアは、ZEISSのイメージングポートフォリオ全体を1つのまとまったソリューションとして統合し、コネクテッドマイクロスコープを使用した環境における効率性と柔軟性を大きく向上させるものです。

Tim Schubert イメージングスペシャリスト、Materials Research Institute Aalen – Aalen University, Germany

ZEN coreのエコシステム

イメージングから解析・深層学習、実体顕微鏡から自動イメージングシステム、そしてSEMからFIB-SEMまで、ZEN coreは統一されたユーザーインターフェースを提供します。強力なZENエコシステムを使用して、すべての顕微鏡ワークフローを合理化できます。

マルチユーザー環境下ですべての顕微鏡を1つのインターフェースに集約

ZEN coreは、コネクテッドマイクロスコープに対応したハブとして機能し、ZEISSの顕微鏡を統合的に制御します。エントリーレベルの実体顕微鏡から光学顕微鏡、さらには走査電子顕微鏡や集束イオンビームSEMまで対応可能です。マルチモーダル実験や、SEMでのEDSの実行、後処理として画像解析を実行することも可能です。さらに、デスクトップコンピューターやモバイルアクセスを介して、全データを探索できます。
モバイルアクセス

モバイルデバイスを使用して、スケールやイメージングモダリティを跨いだデータの探索、可視化、および体系化が可能。

FIB-SEMおよびTEM試料作製

基本的なFIB-SEMワークフローの制御(TEMのラメラ作製を含む)

走査電子顕微鏡および解析

SEMの制御(画像取得およびEDS分析を含む)

デジタル顕微鏡

異なる顕微鏡モダリティ間での試料とデータの交換(デジタル顕微鏡を含む)。

光学顕微鏡および解析

光学顕微鏡および実体顕微鏡、カメラを制御。イメージングから解析、さらには深層学習に至るまで、エンドツーエンドのワークフローを実現。

ZEN core

顕微鏡の制御、コネクテッドマイクロスコープおよび相関顕微鏡のハブ。

ツールキット

ツールキットの概要

1 エンコード顕微鏡およびBase Acquisitionでのみ拡張可能

2 装置の制御や取得機能なし

3電動ステージ用タイリング機能付き、または手動ステージ用タイリング機能なしの2種類のバリエーション

4 SEMおよびCrossbeamで必須

5 Motorized Acquisitionが必要

1 エンコード顕微鏡およびBase Acquisitionでのみ拡張可能

2 装置の制御や取得機能なし

3電動ステージ用タイリング機能付き、または手動ステージ用タイリング機能なしの2種類のバリエーション

4 SEMおよびCrossbeamで必須

5 Motorized Acquisitionが必要

 

ニーズに合ったソリューションを見つける

顕微鏡研究者のニーズは時間とともに変化します。タスクは変化し、研究の進展や不良解析の最適化の必要性とともに要件が拡大します。これらの変化に対応するため、ZENソフトウェアスイートも継続的に進化しています。ZEN coreのユーザーは、現在、そして未来においても、この継続的な開発のメリットを活用できます。機能をアップデートして、新しい機能をご活用ください。

ZENツールキット

  • Base
    手動顕微鏡やエンコード顕微鏡、電動顕微鏡を使用して、マルチチャンネル蛍光およびタイムラプス実験の基本的な画像を取得。

    Motorized
    複数のフォーカス位置で自動的に画像を取得。データを組み合わせてより深い被写界深度で画像を作成可能。事前定義した領域を自動的にスキャンすることで、大型試料の高解像度画像を記録。

    Smart Acquisition
    オーバービュー画像から自動的に位置を特定し、詳細なスキャンを実施。

    エンコード顕微鏡
    エンコード顕微鏡のコンポーネントの読み出し。

    EDS
    エネルギー分散型X線分光法による元素分析を統合制御。

    Automated Imaging
    イメージングプロトコルに基づき、ZEISS FE-SEMで大型タイルEM画像を自動取得。

  • 2D
    拡張された画像処理機能を使用し、直感的なソフトウェアウィザード操作による2D画像解析を自動で実施。

    3D
    拡張された画像処理機能を使用し、高度なレンダリングツールで3D画像スタックを可視化して、ソフトウェアウィザードによる3D解析を実施。

    AI
    AIモデルのトレーニング専用のユーザーインターフェースにより、機械学習に基づく画像のセグメンテーション、分類、ノイズ除去を実施。トレーニングインターフェース搭載。

    Connect
    試料中心のワークスペースと専用のファイル管理システムで、光学および電子顕微鏡などの異なる機器で画像を取得・相関。2Dおよび3Dのワークフローを実施(オプションでL-マーカーキャリブレーションを用いて簡素化可能)。

    Developer
    Pythonの専用スクリプトエディターで画像取得、処理および解析をカスタマイズして自動化し、記録、デバッグおよびコーディングを実施。

    GxP
    製薬企業など規制が適用される環境で作業を行う際に、画像、表および報告書のGxP準拠を維持。トレーサビリティとアカウンタビリティを確保(21 CFR Part 11準拠の前提条件)。

  • Materials Apps
    層厚測定および粒径解析、鋳鉄解析または多相解析を実施。ダイアグラムと標準チャートを比較。AIに対応したモデルを使用し、オプションでAIツールキットを用いて画像のセグメンテーションまたはオブジェクトの分類が可能。

    NMI
    鉄鋼内の非金属介在物の自動イメージング、分類およびレポート作成。

    TCA
    清浄度規格に準じた粒子の自動識別および分類。

    TEM Prep
    自動化されたワークフローを用いて、ZEISS CrossbeamでTEMラメラを作製。

    Auto Liftout
    自動的にリフトアウトし、TEMグリッドに作製したラメラを貼付。

ZEN core EM

単なる部品の集合体以上の価値を提供

単なるシステム制御を超えた操作ソフトウェアの利点:ZEN core EMは、標準的なSEMワークフローを簡素化するだけでなく、コネクテッドマイクロスコープへの扉を開きます。相関顕微鏡、画像解析、レポート作成、データ管理といった機能と連携可能です。
電子顕微鏡ユーザーは、EVOからSigma、GeminiSEM、Crossbeamまで、ZEISSのすべてのSEMおよびFIB-SEMで標準的なワークフローを簡単に実行できます。

仕組み

ナビゲーションワークスペースは、ZEN core独自のコンセプトです。カスタマイズ可能なワークベンチと容易なトップナビゲーションにより、すべてのワークフローをガイドします。ナビゲーションが簡単で、直感的な操作が可能です。 
ナビゲーションワークスペースは、ZEN core独自のコンセプトです。カスタマイズ可能なワークベンチと容易なトップナビゲーションにより、すべてのワークフローをガイドします。ナビゲーションが簡単で、直感的な操作が可能です。 

ナビゲーションワークスペース

ZEN coreは、ナビゲーションワークスペースとカスタマイズ可能なワークベンチという独自のコンセプトを採用しており、簡単なナビゲーションと直感的な操作が可能です。
この機能の素晴らしさを例えるなら、まるで地球全体を俯瞰できる衛星画像から、ズームインして自宅の玄関まで特定できるような操作感です。同様に、ナビゲーションワークスペースはあらゆるワークフローをガイドします。トップナビゲーションのツールに従うだけで簡単にワークフローを実行でき、すべての電子顕微鏡制御パラメータを容易に設定できます。サンプルホルダー全体やすべての試料のオーバービュー表示ができ、取得したデータは画像ギャラリーで一元管理しながら、ライブ画像の操作も同時に可能です。

必要な操作だけを表示するワークベンチを作成・保存することで、必要なワークフローに合わせてUIをカスタマイズできます。このワークベンチコンセプトにより、特に複数のユーザーがいる施設の初心者ユーザーにとって、ZEN coreでのSEMの操作が簡単な作業になります。
必要な操作だけを表示するワークベンチを作成・保存することで、必要なワークフローに合わせてUIをカスタマイズできます。このワークベンチコンセプトにより、特に複数のユーザーがいる施設の初心者ユーザーにとって、ZEN coreでのSEMの操作が簡単な作業になります。

ワークベンチ

ZEN coreは、直感的な操作が可能です。機能は目的別にワークベンチとしてグループ化され、各ワークベンチには専用ツールが揃っています。画像をワークベンチからワークベンチへと移動させ、必要なツールで処理します。ワークベンチやツールは、タスクに応じて追加・削除・再配置が可能です。
特筆すべきなのは、ZEN coreではワークベンチを作成・保存することで、必要なワークフローに合わせてUIをカスタマイズできることです。一度設定すれば、初心者や機器に慣れていないユーザーでも事前に定義されたワークベンチを開くだけで、すぐに機器の操作を開始できます。
画像取得、分析、マルチモーダル、マルチスケールのワークフローは、Sample setup、Acquisition、EDS ProcessingまたはReportsなどのワークベンチで実行できます。

画像取得とEDS分析の統合による利点を活用。EDS取得・処理用ワークベンチが統合されたシンプルなインターフェースにより、ZEISSのSEMでの分析データ取得が迅速かつ容易に行えます。
画像取得とEDS分析の統合による利点を活用。EDS取得・処理用ワークベンチが統合されたシンプルなインターフェースにより、ZEISSのSEMでの分析データ取得が迅速かつ容易に行えます。

画像取得およびEDS分析の統合

ZEISSとOxford Instrumentsによる最先端のFE-SEMおよびEDS技術の融合により、電子顕微鏡のワークフローを効率化するだけでなく、これまでにない高品質な分析結果が得られます。コンピューターやモニター、キーボード、ソフトウェアを切り替えることなく、SEM画像の取得と元素組成の迅速な分析を実現します。
EDS取得・処理用ワークベンチの統一されたインターフェースにより、分析データの取得が迅速かつ容易に行えるようになりました。特定の関心領域を分析し、視野全体の元素組成をEDSマッピングで可視化できます。ハードウェアに依存しない処理用ワークベンチにより、取得データはツール上で作業した後、またはリモートでも処理可能です。

ナビゲーションワークスペースの利点について、詳しくはこちらのビデオをご覧ください:サンプルホルダーの画像を使って関心領域へナビゲートし、画像取得を開始する方法をご確認ください。

ホワイトペーパーをダウンロード

Comparing Segmentation Methods for Particle Analysis of Lithium Ion Battery Materials Using ZEN core
ホワイトペーパー「Comparing Segmentation Methods for Particle Analysis of Lithium Ion Battery Materials using ZEN core」の表紙プレビュー

著者:Tim Schubert, Aalen University, Germany

粒径は材料特性に影響を与えるため、その正確な測定は材料研究において極めて重要です。本研究では、光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、粒度分布と幾何学的特徴を分析する方法を探ります。閾値処理、機械学習、ディープニューラルネットワークを利用したインスタンスセグメンテーションの3つの手法を比較することによって、リチウムイオン電池アノードにおける個別粒子のセグメンテーションの問題解決に取り組みます。

  • 3つのセグメンテーション手法の比較
  • インスタンスセグメンテーションによる粒径の解析
  • トレーニング済みモデルによる個々の粒子のセグメンテーション

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  • ZEISS ZEN core

    研究開発から品質管理まで顕微鏡システム間のネットワーク化にも対応

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  • ZEISS ZEN core

    Your Microscope Software for User-specific Repetitive Workflows in Biomedical Labs

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  • 工業用セラミックス研究のためのZEISS顕微鏡ソリューション

    先端セラミックス設計のための2D、3D、4Dソリューション

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  • ZEISS arivis Hub

    Scale up and Automate Your Image Analysis

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  • ZEISS ZEN core for Electron Microscopes

    Streamline Imaging, EDS and Analysis. One Intuitive Interface, Every ZEISS Microscope.

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  • ZEISS 顕微鏡ソフトウェア

    研究室でのルーチンワーク向け

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