ZEISS GeminiSEM

電界放出型走査電子顕微鏡

The GeminiSEM Family​

サブナノメートル分解能の撮像、分析、および柔軟性への高度な要求を満たすために

ZEISS GeminiSEMはサブナノメートル分解能の撮像が容易になります。材料科学や生命科学において、要求が最も厳しいプロジェクトにお使いください。電子光学系とチャンバのデザインが新しくなり、画質、使いやすさ、および柔軟性が向上。卓越した撮像と分析の機能を融合しています。また、イマージョンレンズを用いずに、1 kV以下でサブナノメートル分解能の撮像ができます。3種類のGemini光学系をご利用いただけます。GeminiSEMファミリーの製品が、皆様の撮像と分析におけるニーズに対して、どのように応えているかを紹介します。

Characterize nanometer-scaled features at the fractured surface of  the non-conducting mineral montmorillonite
非導電性の鉱物であるモンモリロン石の破断面において、ナノメーターレベルの特徴が明確に現れています。
  • コアファシリティとして理想的 - ZEISS GeminiSEM 360は、Gemini 1 カラムを備えており、広範なアプリケーションおよび試料タイプに対して、高分解能の撮像と分析を提供します。
  • 効率的な分析が可能 - ZEISS GeminiSEM 460は、Gemini 2 カラムを備えており、分析顕微鏡として困難な撮像をサポートします。広範囲のプローブ電流値において、撮像と分析をスムーズに切り替えることができます。
  • 電子顕微鏡のニュースタンダード - ZEISS GeminiSEM 560は、Gemini 3カラムと新しい電子光学エンジンであるSmart Autopilotを備えています。あらゆる動作条件下において、GeminiSEM ファミリー内で最も高い分解能を実現します。

Highlights

The Family
3種類のモデルの詳細をご覧ください。そして、どのモデルがご自身のアプリケーションに最適であるかをご確認ください。

ZEISS GeminiSEM 360

ZEISS GeminiSEM 360

ZEISS GeminiSEM 360

材料科学、生命科学、そして産業用途に最大の汎用的対応力を発揮する、コアファシリティとして理想的なデバイスです。

Leverage comprehensive sample characterization with two unique Inlens detectors configured in parallel.
平行に配置された2つの独自のインレンズデテクタが、試料の特徴を包括的に捉えます。
Configure your instrument tailored to your needs thanks to the versatile chamber.
多目的対応のチャンバが、ユーザーのニーズに合わせたデバイスの構成を可能にします。
Perform multimodal experiments with ZEN Connect and understand your specimens completely.
ZEN Connectを使ってマルチモーダルな実験を行い、試料の特性を完全に解明します。

試料を柔軟に取り扱うことのできるツール

  • GeminiSEM 360は、材料化学、生命化学、そして産業用途に最大の汎用的対応力を発揮する、コアファシリティとして理想的なデバイスです。
  • Gemini 1の名を冠する電子光学系の設計によって、高い表面感度、低電圧での優れた分解能、高プローブ電流での高速性をもたらします。
  • 取り扱いの難しい試料でも、インレンズ二次電子撮像と後方散乱電子撮像とを同時に使用することで、高い分解能の表面情報および組成情報を取得することができます。
  • 低真空、いわゆるVPモードで非導電性の試料の撮像をしたい場合、インレンズ検出器のコントラスト調整を諦める必要はありません:NanoVPが最大限の汎用性を提供し、帯電することのないインレンズ撮像を行うことができます。

比類ないユーザー体験

  • GeminiSEM 360は、他に類を見ないユーザーエクスペリエンスを提供します。FOVが広く、チャンバが新しくなり、構成の自由度があがったため、大きな寸法の試料からも簡単にデータを得ることができます。
  • ZEISS ZEN Connectを使って、コンテキストに沿ったイメージングと相関顕微鏡法とによるスムーズなナビゲーションを利用することができます。
  • オートフォーカスや、スマートデテクタなどの自動化機能を使って、鮮明でメリハリのある画像を簡単に取得することができます。
  • 正対するEDSポートと同一平面上のEDS/EBSDジオメトリによって、撮像ワークフローと分析ワークフローの両方を効率的に実行します。
  • ZEISS Predictive Service(予知保全サービス)を使えば、都合の良いときにメンテナンスのスケジュールを組み入れることができるので、システムの稼働時間を最大化することができます。

優れた機能拡張性

  • 投資した機器資産を無駄にしないためには、アップグレードできることが肝要です。GeminiSEM 360がZEISS ZEN coreのソフトウェアエコシステムに連携しているのは、まさにそのためです。
  • ZEN Connectを使って、マルチモーダル・マルチスケールのデータ、高度なAI駆動によるセグメンテーションのためのZEN Intellesis、そしてセグメンテーションデータのレポート作成と分析のためのZEN分析モジュールとを連携させることができます。ZEN data storageを使えば、研究室にあるさまざまな機器に接続してそこからデータを取得することによって、プロジェクトを一元的に管理することができます。
  • APEERコミュニティのメンバーになることで、課題解決に役立つ他のユーザーが作成したワークフローやスクリプトにアクセスすることができます。
  • 新しい機能がリリースされるたびに、アップグレード計画に沿って、システムの機能を向上させることができます。

ZEISS GeminiSEM 460

ZEISS GeminiSEM 460

ZEISS GeminiSEM 460

きわめて困難な分析タスクを実行することができ、さらに効率的な分析と自動化ワークフローを行うことができます。

Conduct rapid analysis and achieve high current and high resolution simultaneously.
迅速な分析を管理し、高電流かつ高分解能の作業を同時に行うことができます。
Configure your instrument tailored to your needs thanks to the versatile chamber.
多目的対応のチャンバが、ユーザーのニーズに合わせたデバイスの構成を可能にします。
Turn your GeminiSEM 460 into an in situ lab.
GeminiSEM 460のある場所が、そのままユーザーの研究室となります。

高分解能と高電流とを活用

  • GeminiSEM 460は、困難な分析タスクを実行することができ、効率的な分析と自動化ワークフローを備えています。
  • 高分解能撮像と分析を迅速に行います。Gemini 2 カラムを使って、低電流・低加速電圧から高電流・高加速電圧への切り替え、そしてその逆方向の切替えがスムーズにできます。
  • マルチデテクタを並列使用して、どんな試料でも包括的にその特徴を捉えます。
  • 分析作業を効率的に行うために、多目的チャンバを利用し、適切な分析用デテクタを選択できます。
  • 新しいVPモードを使用し、電流を上げて、4000 patterns/sのインデックスレートを持つEBSDマップを取得できます。
  • 正対する2つのEDSポートと同一平面上のEDS/EBSD構成によって、化学的組成と結晶構造の方向を観察します。高速で影のないマッピングが取得できます。

自動ワークフローをカスタマイズ

  • このような強力な分析機能を有していることとともに、ワークフローの自動化がたいへん重要になります。ZEISSのPython scripting APIを使って、自分だけの自動化実験プロセスを作成し構成することができます。
  • 実験プロセスに変更を加え、その成果を自分自身のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。
  • STEMトモグラフィーを最大限に活用することができます。自動傾斜機能と自動回転機能を、特徴追跡機能と組み合わせます。位置合わせ済みの画像がすべて3D再構成専用ソフトウェアに送信された後、ナノメートルスケールの3D断層写真を作成します。
  • 材料を工学的限界まで試験する必要がある場合、ZEISSの自動化された原位置加熱および応力実験機能を自由に使用することができます。応力-ひずみ曲線をその場で記入するので、熱および応力のかかった状態での材料の特性を自動的に観察することができます。

可能性を広げる方法

  • Gemini 2の設計により、低加速電圧下でも高電流密度にビームを調整できます。材料科学および生命科学の枠を超えて、分析機能を拡張します。
  • 広範で種類に富むアクセサリを使って、システムを自由に構成できます。多目的チャンバは、分析用のデバイスだけではなく、in-situ 実験、低温撮像、およびナノプロービング向けのデバイスと構成することもできます。
  • 機器のライフサイクルにおけるどの時点でも、さまざまな構成を試し、また、アップグレードを行うことができます。
  • GeminiSEMデバイスはすべて、ZEISS ZEN coreエコシステムと連携しており、ZEN Connect、ZEN Intellesis、およびレポート作成のワークフローおよびGxPワークフローを実行することができる、ZEN分析モジュールにアクセスすることができます。

ZEISS GeminiSEM 560

ZEISS GeminiSEM 560

ZEISS GeminiSEM 560

表面の特性をしっかりととらえ、歪みのない、高分解能での撮像がしやすくなり、1kVを下回る低電圧での撮像を容易に行うことができます。

Details on the surface of a non-conducting mineral particle at​  low kV: GeminiSEM 560 at 800 V, Inlens SE.​
低電圧での非導電性鉱物粒子の表面のディテール:GeminiSEM 560、800 V、Inlens SE。
 

CeO2(酸化セリウム)ナノ粒子の3D STEMトモグラフィー。GeminiSEM 560、aSTEM、明視野、30 kV。

A sweet spot: Magnetic contrast on a NdFeB magnet
スイートスポット:NdFeB磁石上での磁気コントラスト。

表面撮像の新しいスタンダード

  • GeminiSEM 560を使えば、表面の特性をしっかりととらえた、歪みのない、高分解能での撮像がしやすくなり、1kVを下回る低電圧での撮像が容易に行えるようになります。
  • 加速電圧1kV以下かつ1nm以下の分解能で、フィールドフリーの(磁場の影響を受けない)試料撮像を行います。このとき、試料へのバイアス電圧付与やビームの単色化は必要はありません。これは、ナノツインレンズと新しい電子光学エンジンであるSmart Autopilotを備えている、Gemini 3によって可能になりました。
  • 新しいVPモードと検出システムを使って、非導電性の、真空状態の影響を受けやすい材料の画像を取得します。真空状態の影響を受けやすい試料は、VPモード専用のGentle Airlockを通して、チャンバに導入することで、迅速な結果出力を可能にします。
  • デュアルEDSポートを持つ新しい大型のチャンバを活用することによって、繊細な試料の分析も容易に行うことができます。最適なデテクタ立体角によって、迅速な影のないEDSマッピングの作成が可能になります。

専門家の知識を内蔵

  • 新しい電子光学エンジンであるSmart Autopilotによって、取り扱いの難しい試料の撮像を迅速に行えるようになりました。
  • 大幅に広くなったFOVを活用することによって、試料のナビゲーションが容易になりました。
  • Smart Autopilotは、時間のかかるアライメント作業を助け、時間を節約します。この電子光学エンジンを駆動して等倍から50万倍までの倍率を提供し、その一方で位置合わせや校正、および焦点合わせなども行います。
  • Smart Autopilotは、視差オートフォーカスと、新しいオートウォブラを備えており、これによって、ほんの数秒で鮮明でメリハリのある画像を提供します。
  • Pythonスクリプトは、例えば3D STEMトモグラフィーなどの自動ワークフローにおいて、Smart Autopilotの機能を使用することができます。

独特のコントラスト調整の体験

  • 「最適条件を見つける」ことは、完璧な画像を取得するための、最適なパラメータの組み合わせを選択するということを意味します。最適条件を見つけることが、良い画像を取得するためのコツです。
  • フィールドフリー撮像のできるGeminiカラムテクノロジーと新しいGemini 3カラムは、この最適条件を見つけることが可能で、お手持ちの試料から新しい情報を引き出すことができます。
  •  GeminiSEM 560は、試料上に磁場(2mT未満)がある場合も、磁気コントラスト撮像を容易に行うことができます。
  • 環状BSD(aBSD)を用いた電子角度分光撮像を実行しつつ、エネルギー選択型のインレンズBSD(EsB)を用いてエネルギー分光撮像を実行します。
  • ZEN Connectを使えば、あらゆるデータをまとめ、作業結果を容易にセグメント分割しレポートを作成することができます。

Center for Applied Quantum Technologyで取り組んでいる研究とは?

Dr. Mario Hentschel, from the ZAQuant, the Center for Applied Quantum Technology at the University Stuttgart, Germany
Dr. Mario Hentschel, from the ZAQuant, University of Stuttgart, Germany
Polymer-based Fresnel lens, produced by injection compression molding.
射出圧縮成形で作成された、ポリマーベースのフレネルレンズ

シュトゥットガルト大学, Center for Applied Quantum Technology, ZAQuantのMario Hentschel博士は、彼のグループが取り組んでいるテーマとアプリケーション、直面している課題、そしてどのようにZEISS GeminiSEM 560を利用しているかについて次のように語っています。

“私たちは、光センシングや光検出のための複雑なマイクロ構造およびナノ構造の極限を追求しています。したがって、ナノメートルスケールでのデバイスの検査と特性評価が重要になります。微小な構造についての深い知識は、プロセス制御や最適化に不可欠なだけではなく、センシングおよび検出スキームに関わる局所的な現象を解明するためにも重要です。単なる位置特異的な情報だけでなく、ナノスケールの材料組成や、意図的および偶発的な局所的不純物にも関心があります。
これらのアプリケーションはすべて、電子顕微鏡に対して大きな柔軟性を求めます。ZEISS GeminiSEM 560は、驚くべき自由度と柔軟性を提供してくれます。検出器の選択肢が豊富なので、位置特異的な情報、材料のコントラスト、表面のエッジ、およびその他さまざまな試料の特徴を撮像し、強調することができます。私たちは日々、寸法や材料組成などが全く異なる、多様な幾何形状を持つ試料を扱っているため、顕微鏡には多くが求められます。高絶縁性ポリマーやプラスチックのような、非常に要求が厳しく撮像が困難なサンプルでも、帯電による影響を最小限に抑えた最高品質の画像を得ることができます。このシステムは、低倍率でも高倍率でも撮像することができます。
近い将来、ここシュトゥットガルトのCenter for Applied Quantum Technology(ZAQuant)に新築される研究棟のクリーンルームに、GeminiSEM 560が設置される予定です。このZAQuantに集まっている研究室主宰者たちは、物理学、機械工学や電子工学、化学、およびその他、さまざまなバックグラウンドを有しており、そこから極めて多彩な要件が発生します。そのため、撮像性能の高さを維持する一方で、柔軟性を発揮することもまた重要な機能として求められます。
GeminiSEM 560は間違いなく、私たちの研究遂行に必須のテクノロジーとなるでしょう。私たちはこの装置が、極めて自由度に富んだ方法でその可能性を提供してくれると感じています。​"

​Dr. Mario Hentschel, University Stuttgart, Center for Applied Quantum Technology, DE.​

The Technology Behind

Gemini電子光学

Gemini 1

Gemini 1

基本的な事柄を知るために、あなたが常に求めているもの

電界放出型走査電子顕微鏡は、高分解能撮像のために設計されています。
電界放出型走査電子顕微鏡のパフォーマンスの鍵となるのは、その電子光学カラムです。Geminiは、あらゆる試料を高分解能で撮像するために、具体的には、低い加速電圧で、もれなく効率的に検出することができ、しかも使いやすいという点を目指して設計されています。

Gemini光学系を形成する3つの主要コンポーネント:

  • Geminiの対物レンズは、試料への場からの影響を最小化しつつ、光学的パフォーマンスを最大化するために、静電場と磁場とを組み合わせて設計されています。これによって、例えば磁気を持つ材料など取り扱いの難しい試料でも、良質な画像を取得することができます。
  • Geminiの内蔵ビーム減速装置であるビームブースターテクノロジーは、小さな寸法の試料を高い信号対ノイズ比で撮像することを可能にします。
  • Geminiのインレンズ信号検出コンセプトは、撮像所要時間を短縮しつつ、二次電子(SE)と後方散乱電子(BSE)を並行して検出することによって、効率的な信号検出を可能にします。

アプリケーションに役立つ要素:

  • SEMのアライメントが長期にわたって安定していることと、プローブ電流や加速電圧などのあらゆるシステムパラメータを最適化すること。
  • 光学系にほとんど磁場漏れがないことによって、歪みのない高分解能の撮像を行えること。
  • インレンズ二次電子検出器を使って、試料の最表面からの情報を単独で取得できること。この検出器は、表面の性状に大きく影響される、入射電子によって直接励起された二次電子(SE 1)から画像を得ること。
  • エネルギー選択型インレンズBSD(EsB)の検出コンセプトによって、低加速電圧で本来の材料コントラストを取得できること。

Gemini 2

Gemini 2光学系の活用

あらゆる試料の特徴を包括的に判断するには、撮像と分析の実行レベルの高さが重要です。さらに、今日のユーザーからは、デバイスの設定と取り扱いが容易であることが求められています。
 
Gemini 2の光学系はこれらの需要に応えます:
  • GeminiSEM 460は、ダブルコンデンサーをその特徴とする、Gemini 2光学系を備えています。
  • スポットサイズを最適化したまま、同時にビーム電流を絶えず調整します。
  • 低いビーム電流での高分解能撮像と、高いビーム電流での分析モードとをスムーズに切り替えます。
  • 撮像パラメータを変更してもビームの位置合わせをし直す必要がないので、時間と手間を省くことができます。
  • 柔軟度が保たれます。どのビームエネルギーを選択したかにかかわらず、高分解能撮像に最高ビーム電流密度を使用し、分析には低いビーム電流と高いビーム電流の両方を使用することができます。
  • 試料が磁場に曝されることがありません。歪みのない電子線後方散乱回折(EBSD)パターンを取得し、大きな視野での高分解能撮像を実行します。
  • 電子光学系のパフォーマンスに影響することなく、試料を傾けることができます。磁気を持つ試料の撮像も容易に実行することができます。
  • お使いの試料に最も合った低真空モード、すなわち、LCC、VPモード、またはNanoVPを選択することができます。

Gemini 3

Gemini 3 – The Evolution Goes on

今日の電界放出型走査電子顕微鏡アプリケーションでは、低ランディングエネルギーでの高解像度イメージングが標準的に求められています。

何のために?

  • ビームの影響を受けやすい試料を観察するため
  • 非導電性の材料を観察するため
  • 試料の深部に由来する不要な背景信号を取り除いて、純粋な試料表面情報を取得するため

Gemini 3の光学系は、低加速電圧および極低加速電圧での分解能、およびコントラストの増強のために最適化されています。これによって、1kVから30kVまでのあらゆる作業条件において最大効率の分解能が確保され、新しい電子光学系エンジンである、ナノツインレンズとSmart Autopilotという、2つのコンポーネントとの機能の両立が可能になります。その他の技術的な特徴としては、高分解能ガンモードとオプション製品のTandem Decel 等があります。

ナノツインレンズがもたらすもの

  • 低加速電圧、および超低加速電圧 で、サブナノメートルの分解能、そして優れた信号検出効率性を提供します。
  • 標準のGemini対物レンズと比べて3倍低い低電圧でのレンズ収差。その結果として試料上の磁場が3倍弱くなります(約1mT)。
  • ジオメトリおよび静電場と磁場の分布が最適化されます。
  • 低加速電圧の撮像条件下で、インレンズ検出器の信号を増強します。

これらの特徴によって、試料にバイアス電圧をかけることなく、1kVを下回る加速電圧でサブナノメートルの分解能での撮像をすることができます。

Smart Autopilot

ナノツインレンズとの組み合わせで、Smart Autopilotは次のような機能を提供します:

  • コンデンサレンズによるビーム開き角の最適化機能(あらゆる作業条件において)。これによって、それぞれの作業エネルギーでの最善可能な分解能を実現。
  • 試料ナビゲーションと高分解能撮像の移行をスムーズにするための、新しい、大視野FOVモード。
  • 高速で最適な画質を得るための、新しく特許取得したオートフォーカス機能。

How it works:

  • Smart Autopilotがカラムを通る電子の軌道を最適化し、それによって、各加速電圧で最も優れた分解能を確保します。
  • 自動系機能が、等倍から200万倍に到るまでの倍率範囲全体で、視野内での10倍刻みでの増分による、スムーズで、位置合わせ不要の倍率の変更を可能にします。このとき、単一のフレームで13 cmの撮像対象に対応することができます。
  • 新しいオーバービューモードとの組み合わせによる画像フレーム 32k × 24kが、比類のない広さのFOV上で、スティッチ不要の画素密度を可能にします。

Resolution Modes

高分解能ガンモード

  • 一次エネルギー幅を30%縮小したことによる、色収差の最小化
  • より小さなビームプローブサイズ

タンデムディセル

  • 2段階のビーム減速モードであるTandem Decelは、ビームブースターテクノロジーと、試料に適用されるバイアス電圧とを組み合わせたもので、一次電子ビームの電子が減速され、入射電子のエネルギーがが効果的に削減されます。
  • この機能を、加速電圧1kV未満における分解能をさらに向上させるために使用し、BSDの検出効率を高めます。
  • 最大5kVのTandem Decelのオプションのバイアス電圧によって、低電圧での優れた撮像機能がさらに向上します。

Applications

ZEISS GeminiSEM

ナノサイエンス & ナノマテリアル

代表的なタスクとアプリケーション

  • ナノエレクトロニクスデバイスおよび光学デバイスの構造、品質・欠陥の可視化
  • 電子ビームによる損傷、帯電、あるいは画像の歪みを回避しながら、二次元マテリアルなど取り扱いの難しい試料を撮像
  • 高分解能でのナノ磁気学的およびナノ力学的研究、材料表面トポグラフィーの特徴判定、およびその基本組成の分析
  • ナノ流体実験用デバイスの作製とその品質評価
Magnetic FeMn Nanoparticles, edge length of a cube ca. 25 nm. GeminiSEM 560, 1 kV, Inlens SE, field of view  565 nm.
磁気を帯びたFeMnのナノ粒子、キューブのエッジ長さは約25 nm 。GeminiSEM 560、1 kV、インレンズSE、視野565 nm
Structured gold platelets as part of fundamental research on plasmonic effects. GeminiSEM 560.
構造化された金の板状構造、プラズモン効果の基礎研究の一部。GeminiSEM 560
Overview mode, extremely large field of view, three Euro coins. GeminiSEM 560.
オーバービューモード、きわめて大きなFOV、3枚のユーロ硬貨GeminiSEM 560

エネルギー材料

代表的なタスクとアプリケーション

  • 微細構造およびデバイスの評価
  • 欠陥分析
  • 相分散
  • 細孔およびクラックの定量化
NCM622 cathode particles after 500 charge cycles, 1 kV, Inlens SE  detector.
充電サイクルを500回実行した後のNCM622カソードの粒子、1 kV、インレンズSE。
Uncoated polymer electrolyte fuel cell.
燃料電池の、コーティングをしていないポリマー電解質。
CIGS solar cell on an alumina substrate at 1.8 kV, Inlens SE detector.
アルミナ基材上のCIGS太陽電池、1.8 kV、インレンズSE。

エンジニアリング材料

代表的なタスクとアプリケーション

  • 優れたコントラストとシャープネスを備えたサブナノメートル分解能での汎用性の高い材料特性評価
  • 金属組織および損壊の分析
  • 異なる状況下でのin situでの 材料挙動の特徴判定
  • シミュレーションモデルの検証と正確性の向上のための実験データの生成。

In situでの引張荷重試験で撮像されたステンレス鋼試料
AsBを使用。画像のコントラストは極めて高く、in situでの加重の際のすべり帯の形成が画像に見られます。画像の左側は加重前、右側は加重後。

before loading
加重後

サンドブラストを用いて表面処理をした後のステンレス鋼表面の断面図
左側の画像は、潰れた二酸化ケイ素(SiO2)が、正帯電していることを示しています。コントラストは、5 mmの大きめの作動距離(左)の場合だけ見ることができ、1 mmの小さめの作動距離(右)では見ることができません。

大きめの作動距離 5 mm
小さめの作動距離 1 mm

 Al2O3/ZrO2-3mol%Y2O3  ナノ複合粉末の断面
BSEデテクタを用いて撮像。左は入射電圧1 kV、バイアスなしの場合、右は入射電圧1 kV、バイアス5 kVの場合。材料のコントラストと鮮明度を強化。

入射電圧1 kV、バイアスなし
入射電圧1 kV、バイアス5 kV

生体模倣材料、ポリマー、および触媒

代表的なタスクとアプリケーション

  • 表面の特徴判定および評価
  • 構造分析、セグメント分割、および定量化
  • いくつかの生体材料の代表的な階層構造による相関マルチスケール特徴判定
  • エラー分析と工程制御
Cross-linked gelatin nanofibrous scaffold for tissue engineering.
組織工学のための、架橋ゼラチンのナノファイバー足場
Polyurethan film.
ポリウレタン膜
Ruptured surface of a polymer.
ポリマーの破裂表面

工業用の顕微鏡検査ソリューション

代表的なタスクとアプリケーション

  • 機械式コンポーネント、光学式コンポーネント、あるいは電子式コンポーネントの欠陥分析
  • 損壊分析と金属組織研究
  • 表面、微細構造、およびデバイスの特徴判定
  • 組成分布と位相分布
  • 不純物および混入物の判定
Brittle failure of a steel sample in tension
応力のかかった鋼試料の脆性破壊
Inclusions in steel, Inlens SE detector, 500 V.
鋼の混入物、インレンズSE、500V
Lithium ion battery cathode. EDS compositional mapping.
リチウムイオン電池の陽極。EDS組成マッピング

半導体デバイスの設計とエラー解析

代表的なタスクとアプリケーション

  • 構造分析とベンチマーキング
  • 受動的電圧コントラスト
  • 表面下分析
  • プロービングによる電子特性測定
  • TEM部位選択

ランディングエネルギーを上げることで、受動的な電圧コントラストの電子特性を表面下の構造情報と比較することができます(この場合、PVCには1 kV(左)、表面下イメージングには3 kV(右)を使用)。Geminiカラムの優れた安定性により、シームレスなワークフローが可能になりました。

PVC向けの1 kV
3 kV

撮像中のプロービングによって、試料の機能についてより深く理解することができます。ここでは、EBACが、ひとつのノードに触れたプローブチップとの回路の接続特性を示しています(第1)。
徐々に高まる電圧下のEBAC(第1および第2が2 kV、第3が5 kV、第4が8 kV)が、低い位置の金属層の電子的構造を示しています。

Connectivity of a  circuit with a probe tip landed at one node: 2 kV
ひとつのノードに触れたプローブチップとの回路の接続特性:2 kVの場合
 EBAC at 2 kV.
2 kVの場合のEBAC
 EBAC at 5 kV.
EBAC at 5 kV.
 EBAC at 8 kV.
EBAC at 8 kV.

ライフサイエンス

代表的なタスクとアプリケーション

  • トポロジーの特徴判定
  • 取り扱いの難しい、非導電性の、ガスを放出する、またはコントラストの低い試料の撮像
  • 細胞や組織などの超微細構造の高分解能での可視化
  • 連続切片やブロック面など、たいへん広い範囲の撮影

組織、細胞またはウイルスとSTEM撮像:組織培養で成長し、化学固定によって不活性化されたSARS-CoV-2ウイルス。ウイルスはネガティブ染色されています。
GeminiSEM 560、aSTEM、疑似色彩によって撮像しています。
Sample: courtesy of M. Hannah, Public Health England, UK.

SARS-CoV-2 virus, STEM image.
SARS-CoV-2 virus, STEM image.
アレイトモグラフィー、連続切片およびブロック面撮像で広い領域を観察します:マメ科豆の根粒。切片リボンの希事象の分析や、細菌に感染しているこれらの根粒の場合のように、感染の統計分析をする際には、広い視野を確保できることが重要です。ZEISS Atlas 5のアレイトモグラフィーモジュールを使えば、連続切片から3Dボリュームを作成することができます。この動画は、ひとつのリボンに属する78個の切片を示しています。

生命化学ではコントラストの小さい試料を処理することが多く、本質的な特徴を示す部分にコントラストが不足している場合、相関ワークフローはかなり困難になります。Tandem Decelを使えば、試料と対物レンズとの間に電子減速またはバイアスを導入することができ、これによってコントラストが劇的に改善します。下の画像は、GeminiSEM 560で撮像したものです。

Applying Tandem decel increases contrast to such an extent that all cell organelles are clearly visible at high resolution.
Tandem Decelを用いることで、すべての細胞小器官が高分解能ではっきりと見ることができるほどにコントラストが増大しています。

Accessories

The in situ lab integrated into the SEM chamber
The in situ lab integrated into the SEM chamber

Link Materials Performance to Microstructure with the In Situ Lab for ZEISS FE-SEMs

Benefit from an integrated solution

When you need to link materials performance to microstructure, ZEISS puts an automated in situ heating and tension experimental lab at your disposal. Observe materials under heat and tension automatically while plotting stress-strain curves on the fly. Extend your ZEISS FE-SEM with an in situ solution for heating and tensile experiments. Investigate materials like metals, alloys, polymers, plastics, composites, and ceramics.

Combine a mechanical tensile or compression stage, a heating unit, dedicated high-temperature SE and BSE detectors with EDS or EBSD (electron backscattered diffraction) analytics. Thanks to the design of ZEISS Gemini electron optics, the integration of in situ hardware is very straightforward. Control all system components from a single PC with a unified software environment that enables unattended automated materials testing. The automatic feature tracking provides you with a new standard for automatic serial imaging and analytics such as EDS or EBSD mapping while multiple regions of interest are defined.

Take advantage of:

  • Simple and fast experiment setup with no need to oversee the system during acquisition
  • Automated in situ workflows for highly reproducible, precise, and reliable operator independent data collection
  • High throughput data acquisition with high resolution. This rapidly creates statistically representative results
  • High-quality data for reliable post-processing such as strain mapping using Digital Image Correlation (DIC), powered by GOM
  • Easy data management
Tensile stage mounted into the SEM chamber.
Tensile stage mounted into the SEM chamber.
炭素フィルム上の酸化亜鉛のナノ粒子。逆投影再構成によるナノ粒子の3D形状

3D STEM Tomography

FE-SEM上でのSTEM Tomographyの自動化が可能になりました。連続チルトしたSTEMを自動取得するスクリプトは、APIを使用して、オートフォーカスや撮像だけでなく、Compucentric、回転、チルトステージの動作を行います。フィーチャートラッキングは、連続したチルト全体のシフト量を補正し、2つの画像間のドリフトを50 nm程度に抑えます。STEMサンプルホルダーは、ステージを60°までチルトして180°回転させることができ、aSTEM検出器がすべての角度で撮像します。三次元再構成ソフトウェアは、この出力を使って、試料の3Dモデルをレンダリングします。

Atlas 5

ZEISS Atlas 5 – Master Your Multi-scale Challenge

Atlas 5は、包括的なマルチスケール、かつマルチモーダルな画像を、試料中心の相関環境で作成します。Atlas 5は、パワフルで直観的な、ハードウェアとソフトウェアのパッケージで、お使いの走査電子顕微鏡のキャパシティを拡張します

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電子部品のマルチモーダル研究。光学式顕微鏡、走査電子顕微鏡、およびEDSマップ内の分析データを相関。アライメント済みデータを含むZEN Connectプロジェクトの、相関的ワークスペースのGUIの外観。試料:埋め込まれ、機械的に研磨された電子部品断面。 提供:Aalen University, Materials Research Institute, Aalen, DE

ZEISS ZEN core

ZEISS ZEN Coreをベースとして、新しいZENの機能がリリースされるたびに、お使いのシステムを継続的にアップグレードすることができます。GeminiSEMはこの進化し続けるZEN Core環境に接続することが可能です。

  • ZEN Connect -相関ワークスペース内で、お持ちの画像データを組織化し整理することができます。
  • ZEN Intellesis - 画像セグメンテーションのための、AIによって動作する高度な機械学習または深層学習機能です。
  • ZEN data storage - さまざまな機器からのデータに接続することによって、プロジェクトを一元的に管理します。
  • ZEN Automated Imaging for SEMs – 電子顕微鏡のオペレーションをシンプルにすることで、光学式顕微鏡と電子顕微鏡との連携をサポートします。
  • ZEN’s analytical modules - 例えば、GxP、グレーン、NMI分析など、材料研究において、セグメント化されたデータのレポートを作成し分析を行います。

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3DSM

3D Surface Modelling – 3DSM

常の走査電子顕微鏡は、あらゆる種類の試料を2Dで測定し分析します。試料の表面を3Dで分析したい場合は、ZEISSが提供するオプションのソフトウェアパッケージである、3DSMをご使用ください。お持ちの試料の表面の3Dモデル全体の再構成による、aBSDまたはAsBディテクターを使った位置情報をお使いいただけます。

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Lithium-ion Battery
Lithium-ion Battery

Visualization and Analysis Software

Object Research System(ORS)のDragonfly Proを推奨します
これは、X線、FIB-SEM、SEM,およびHIMなどの、さまざまなテクノロジーを使って取得した3Dデータのための、高度な分析および可視化ソフトウェアソリューションです。ZEISS製品でなければご利用いただけません。ORS Dragonfly Proは、大型の3Dグレースケールデータの可視化および分析目的の、直観的でフルカスタマイズ可能なツールキットを提供します。Dragonfly Proは、ナビゲーション、注釈の記入、お持ちの3Dデータのメディアファイルの作成(ビデオの作成を含む)などを行うことができます。また、画像処理、セグメンテーション、および測定結果の定量化のためのオブジェクト分析なども行うことができます。

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Mouse lung tissue, block-face images, acquired with Focal Charge Compensation
マウスの肺の組織、ブロックフェース画像、Focal Charge Compensation機能を用いて撮像

お使いのGeminiSEM 360 / 460をアップグレードし、帯電効果を排除

ZEISS GeminiSEM 360またはGeminiSEM 460を、超高速・高分解能3D撮像システムに変貌させます。SEMのチャンバ内のウルトラミクロトームである、Gatan Ink. 3View®社の3View®テクノロジーが搭載されており、これによって、樹脂に埋め込まれた細胞試料および組織試料の高分解能3Dデータを、最短可能な時間内に、最適な方法で、取得することができます。試料は継続的に切断され続け、それによって、1日で数千枚におよぶ連続画像を作成することができます。独自のZEISS Geminiカラムテクノロジーが、GeminiSEMを、このアプリケーションをサポートするために調整します。また、Focal Charge Compensation を使って、帯電効果を排除することもできます。ZEISSはこのガス注入システムを、National Center for Microscopy and Imagingとの協力によってリリースしました。Focal Charge Compensationを使えば、測定結果を素晴らしい画質で取得することができます。3Dナノ組織構造の研究を行う場合、電子顕微鏡を用いたブロックフェース撮像による肝臓、腎臓、および肺などの組織試料の研究は、病理学的研究の際にたいへん役立ちます。帯電効果を排除するためにFocal Charge Compensationを使用すると、これらの帯電しやすい組織試料は、三次元で高分解能・高速度で撮像されます。



Downloads

ZEISS GeminiSEM ファミリー

多様な試料のサブナノメートルイメージングと 高度な分析を可能にする FE-SEM

ページ: 47
ファイルサイズ: 26638 kB

工業用セラミックス研究のためのZEISS顕微鏡ソリューション

先端セラミックス設計のための2D、3D、4Dソリューション

ページ: 19
ファイルサイズ: 1546 kB

ZEISS FE-SEM用in situラボ

材料の性能を微細構造と関連付ける

ページ: 5
ファイルサイズ: 4300 kB

ZEISS GeminiSEM 360 - Field Emission SEM (Flyer)

Informative Imaging and Fast Understanding in Core Facilities.

ページ: 4
ファイルサイズ: 2359 kB

ZEISS GeminiSEM 460 - Field Emission SEM (Flyer)

Efficient Analysis and Unattended Workflows

ページ: 4
ファイルサイズ: 1166 kB

ZEISS GeminiSEM 560 - Field Emission SEM (Flyer)

Imaging Below 1 kV. Expert Knowledge Integrated.

ページ: 4
ファイルサイズ: 962 kB

Evolution of Gemini Electron Optics

The Next Chapter in Sub-nanometer Imaging Below 1 kV

ページ: 5
ファイルサイズ: 2222 kB

ZEISS GeminiSEM FE-SEM Family

Perform versatile, high-resolution semiconductor imaging and characterization.

ページ: 2
ファイルサイズ: 1993 kB

ZEISS Sense BSD

高速で試料ダメージが少ない微細構造 イメージングのための後方散乱電子検出器

ページ: 6
ファイルサイズ: 13655 kB

Investigating Sweet Spot Imaging of Perovskite Catalysts Bearing Exsolved Active Nanoparticles

ページ: 6
ファイルサイズ: 5621 kB

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