ZEISS Xradia 610 and 620 Versa
3D X線顕微鏡で高速サブミクロンイメージング

検査の枠を超えて、新しい発見
ZEISS Xradia Versa Familyの最先端3D X線顕微鏡は、科学研究や産業研究において新たな段階へ。
業界最高レベルの分解能とコントラストをもとに、ZEISS Xradia 610/620 Versaは非破壊サブミクロンスケールイメージングの限界を超えます。
Highlights
マイクロとナノCTソリューションの限界を超える
- インタクトな試料の非破壊サブミクロンスケール顕微鏡
- 分解能を犠牲にすることなく高いビーム強度と高速スキャンを実現
- 500nmの空間分解能と最小達成可能ボクセルサイズ40nm
- 広範囲にわたる試料の種類、サイズ、および作動距離において高分解能を実現
- 制御された環境下および経時下における、微細構造の非破壊特性評価のためのin situイメージング
- 将来のイノベーションや開発のために、拡張・アップグレード可能
最高分解能とビーム強度
従来のトモグラフィーは1ステップの幾何学倍率に依存していますが、Xradia Versaは独自の2ステップの拡大光学系と高強度X線源との組み合わせによって、より迅速なサブミクロンスケール分解能のイメージングが可能になります。
Resolution at a Distance(RaaD)機能は、インタクトな部品やデバイスを含む、より大きく、より密度の高い対象物の高分解能3D画像の取得。また、オプションのフラットパネル(FPX)を使用すると、非常に大きな試料(最大25 kg)の高速スキャンが可能になり、内部の関心領域へのナビゲーションができるようになります。
これまでにない自由度
業界で最も包括的な3D X線イメージングソリューションは、高度な科学および産業研究に適しています。吸収と位相コントラストを最大化し、材料とその特性について、これまでは難しかった特性評価を実現します。
回折コントラストトモグラフィーで3D結晶解析が可能になります。高度な画像取得技術は、大きな試料や不規則な試料のスキャン速度と精度を向上。試料画像の画像処理とセグメンテーションには機械学習アルゴリズムが適用されます。
最高の 4D / In Situ ソリューション
ZEISS Xradia 600 Versaは、制御された摂動下(in situ)で材料の3D微細構造を非破壊で解析し、時間経過に伴う構造の変化を観察することができます(4D)。
Xradia Versaは、Resolution at a Distance(RaaD)機能を使用することで、分解能を犠牲にすることなく、試料と環境チャンバー、および高精度なin-situ荷重装置のスペースを確保し、長作動距離でも最高の分解能を保持します。また、他のZEISS顕微鏡とシームレスに統合し、マルチスケール相関イメージングの課題に対応することができます。
応用事例
ZEISS Xradia 610 and 620 Versa at Work
リチウムイオン電池
課題と応用の例
- プロセスレシピの開発とサプライチェーン管理:効果的にサプライヤー管理を行うため、インタクトな試料の検査を実施。性能や寿命に影響を与える可能性のあるプロセスレシピの変更やコスト削減
- 安全性と品質の検査:破片、粒子の形成、電気接点のバリ、高分子セパレーターの損傷の同定
- 寿命とエージング:エージングの長期研究




電子機器と半導体パッケージ
課題と応用の例
- 2.5D / 3Dおよびファンアウトパッケージを含む先端的な半導体パッケージのプロセス開発、歩留まり向上、構成解析のための構造不良解析の実施
- リバースエンジニアリングとハードウェアセキュリティのためのプリント回路基板の分析
- モジュールからパッケージに至るまで非破壊で画像を取得。物理的な断面作成に代わる迅速なサブミクロン分解能での欠陥特性評価
- バーチャル断面および平面の画像を制限なくあらゆる角度から観察することにより、欠陥の位置と分布をよりよく解析可能




アディティブ・マニュファクチャリング
課題と応用の例
- 適切なプロセスパラメータを決定するための、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)パウダーベッドにおける粒子の詳細な形状、サイズ、体積分布解析
- AM部品の微細構造解析のための高分解能、非破壊のイメージング
- 形式的なCADの表示と比較するための3D画像処理
- 溶融していない粒子、原子量の大きい介在物、ボイドの検出
- 他の方法では測定が不可能な、内部構造の表面粗さ分析




材料研究
課題と応用の例
- 3D構造の特性評価
- 不良のメカニズム、劣化現象、内部欠陥の観察
- マルチスケールでの特性調査
- 微細構造変化の定量化
- 加熱、冷却、乾燥、濡れ、引張、圧縮、膨潤、離水、その他のシミュレーション環境試験の影響を把握するために、in situおよび4D(経時変化)試験を実施




原材料
課題と応用の例
- マルチスケールでの細孔構造と流量の分析
- in situ流量計を用いた細孔スケールにおける流量の直接測定
- LabDCTを用いた結晶構造解析
- フル3D再構成による粒子分析
- 採鉱プロセスの進歩促進:採鉱を効率化するための尾鉱分析:熱力学的浸出研究:鉄鉱石ペレットなど鉱業生産物のQA / QC分析の実施
- 鋼や他の金属の結晶方位解析




ライフサイエンス
課題と応用の例
- 生物学的試料の自然環境下における3Dイメージング
- もともとの土壌に埋められたままの植物の根を特別な前処理を行うことなくイメージング
- 繊細な動物や植物を試料前処理や切片作成を行うことなく画像化
- 種子全体のようなソリッドな構造をサブミクロンイメージング




技術情報
業界最高の分解能とコントラストの非破壊イメージング
妥協ない最高分解能
標準的なX線コンピュータトモグラフィー(CT)では、高分解能でイメージングする場合、試料サイズは小さいものに限定されます。これは、拡大率の幾何学的性質によるもので、より大きな試料に対しては、より長い作動距離が必要とされるため高い分解能を保持することはできません。また、CTシステムにおける高分解能でのイメージングには低いX線ビーム強度が必要とされ、測定のスループットを低下させます。このため、多くのCT装置における最大分解能の実際的応用は限定的です。
ZEISS Xradia 600シリーズVersaは、2ステップ拡大技術と高強度X線源技術を統合することによって、これらのトレードオフを解決
ZEISSは空間分解能を規定し、3D X線測定における顕微鏡性能の標準規格を提示します。空間分解能とは、イメージングシステムによって2つの物体を分離できる最小間隔を指します。ZEISS Xradia 600シリーズVersaシステムは、最小達成可能ボクセルサイズ40 nm、空間分解能500 nmを実現します。

高強度X線ビーム源
多くの優位性
ZEISS Xradia 600シリーズVersaは、従来の機種と比較して著しく高いX線ビーム強度の画期的な高出力(25 W)X線源技術を導入しています。新しいX線源は分解能を保ちつつ、改良された熱管理、増強されたビーム強度とスループットの向上によって性能の限界を広げます。
新しいX線源制御システムにより、X線源の応答性が向上し、より迅速なスキャン設定と、より簡単な操作性が可能になります。
X線ビーム強度
- より高速なトモグラフィースキャン
- より多くの試料測定
- より多くの関心領域へのアクセス
- より高いコントラスト/ノイズ比
- より明瞭な回折パターン
- 長時間スキャン/マルチスキャンのワークフローが可能(in situ測定、DSCoVer、画像のスティッチング、DCT)

ZEISS X-ray Microscopes
RaaDの幅広い優位性
ZEISS Xradia Versaは、2ステップ拡大技術を使用しており、さまざまな試料サイズと種類に対し、長い作動距離でのサブミクロン分解能のイメージング(Resolution at a Distance)が可能です。従来のmicroCTと同様に、最初、画像は幾何学的投影によって拡大され、さらにシンチレータ上に投射され、X線像が可視光像に変換されます。その可視光像はさらに顕微鏡光学系によって拡大され、CCD検出器によって画像取得されます。
より多くのX線光子の利用が可能なZEISS Xradia 600シリーズVersaは、最も広範囲の試料サイズと種類に対し、分解能を犠牲にすることなく、結果が得られるまでの時間を短縮することができます。

従来のmicroCT技術

ZEISS XRMの2ステップ拡大技術

アクセサリ
最先端材料の3D特性評価の実現可能性を拡大
LabDCT
Unlocking crystallographic information
Xradia 620 Versa専用のLabDCT(回折コントラストトモグラフィー)は、3Dの結晶配向と微細構造を非破壊でマッピングすることが可能です。3D結晶粒配向を直接的に可視化することで、金属合金、地球材料、セラミック、医薬品などの多結晶材料の特性評価に新たな次元を切り開きます。
- LabDCTは、高い立方対称性を持つものから単斜晶系材料などの対称性の低いものまで、結晶構造を持つ試料に対応
- 大きな体積から局所的な個別の粒界解析まで、総合的な3D微細構造解析が可能
- 4Dイメージング実験による微細構造変化の調査
- 3Dの結晶学的情報と3Dの微細構造の特徴との組み合わせ
- モダリティを組み合わせて構造と特性の関係を把握

Introducing SmartShield
簡単にサンプルを守り、セットアップを最適化
SmartShield は、試料と顕微鏡を保護するためのソリューションです。Scout and Scan Control System内で、自動衝突回避システムが働きます。これによって、Xradia Versa をこれまで以上に適確に操作が可能。その仕組みは、ボタンをクリックするだけで、サンプル寸法を基に保護レイヤーが作られます。
お使いの Xradia Versa に SmartShield のオプションを付けてアップグレードすると、次のようなメリットがあります:
- 試料のセットアップ方法がスムーズになるため、オペレーターの作業効率が向上
- 初心者だけではなく、熟練したユーザーも含めて、ユーザーとしての経験値が向上
- 貴重なサンプルと高額な資産を保護
- 妥協のないスキャンの品質
Metrology Extension
X線顕微鏡検査の測定精度を付与
Metrology Extension(MTX)機能を使えば、お使いの Xradia 620 Versa を、従来の CT テクノロジーの限界を遙かに超えた、高性能精密測定システムにすることができます。
これは、コンポーネントの小型化と統合によって、高分解能測定の需要が高まっている、学術および工業目的の研究にとってたいへん重要な事柄です。高分解能X線顕微鏡イメージから得られるメリットに、高精度測定が組み合わされます。

Reveal Smallest Dimensions
最小寸法を最高の精度で測定
- 卓越したCT測定精度: MTX によるキャリブレーションを行えば、ZEISS Xradia Versa が市場に出回っている最高レベルの最大許容誤差値である MPESD = (1.9 + L/100)μm を、小スケールボリュームの測定に提供します。このとき、L は測定された長さ [mm] を表します。
- 微小なボリュームを高分解能で:MTX を使えば、125mm3の小さなボリューム内を高い寸法精度で測定することができます。
- シンプルなキャリブレーションワークフロー:MTX パッケージは、ガイド付きのキャリブレーションワークフローが組み込まれたかたちで提供されます。
- キャリブレーションルーティンを一度実行すれば、それ以降はずっと正確な測定が可能になり、取得されたデータは標準測定ソフトウェアで処理できます。

拡張フラットパネル
さらに大きな試料をハイスループットでイメージング

オプションの拡張フラットパネル(FPX)により、ZEISS最高の画像品質で大型試料のハイスループットスキャンを実現します。FPXは、産業および学術研究向けオールインワンシステムとして、イメージングの柔軟性を高め、ワークフローの効率化を実現します。
Scout-and ZoomはZEISS X線顕微鏡独自の機能であり、FPXを使用して、複雑な試料前処理なしで、広視野の探索的なScoutスキャンを実行し、より高い分解能のZoomスキャンで内部の関心領域を特定することができます。
In Situ experiments
科学の進歩をめざし、限界の壁を超える
ZEISS Xradia Versaは、高圧フローセルから引張、圧縮、加熱ステージまで、最も幅広い種類のin situ計測装置のための、業界最高の3Dイメージングソリューションを提供します。
様々な種類のin situ装置を設置するためには、試料をX線源からさらに離してマウントすることが必要となります。従来のmicroCTシステムでは、測定での分解能が著しく制限されます。ZEISS X線顕微鏡は、独自のResolution at a Distance(RaaD)技術により、in situイメージングにおいて最高性能の3D構造情報を提供することができます。

オートローダー
試料操作効率を向上

ZEISS Xradia Versaシリーズのすべての機種で利用可能なオプションである、オートローダーを使用して、装置の利用を最大化することができます。複数のジョブを入れることで、ユーザーの試料操作回数を減らし、生産性を高めることができます。
最大14個の試料ステーションで最大70個の試料を一晩または数日間にわたって実行するように設定できます。これまでにない機械的安定性により、同種の試料について大量の定量的な繰り返しスキャンをすることが可能です。
広視野モード
より大きい試料を柔軟にイメージング

広視野モード(WFM)を使用することにより、横方向に延長された視野にわたってイメージングすることができます。広い横方向の視野は、大きな試料について3倍大きい3D体積に対応することができ、一方、標準的な視野ではより高いボクセル密度を実現することができます。
すべてのXradia Versaシステムは、0.4倍の対物レンズでWFMに対応することができます。Xradia 620 Versaシステムは、4倍の対物レンズのWFMにも対応可能です。 Vertical Stitching(縦方向画像スティッチング)と組み合わせてWFMを使用すると、より大きな試料を非常に優れた分解能でイメージングすることができます。
自動フィルターチェンジャー
測定困難な試料を簡単に検査

X線源減衰フィルターは、試料に照射されるX線のエネルギースペクトルを調整し、試料の特異的な材料特性に依存するコントラストを最適化するために使用します。すべてのZEISS Xradia Versaには、12個のフィルターのセットが標準装備されています。
ZEISS Xradia 610 Versaは、1つのフィルタースロットを装備しており、手動でのフィルター交換が可能です。ZEISS Xradia 620 Versaシステムには自動フィルターチェンジャー(AFC)が搭載されているため、使いやすさが向上し、フィルターをシームレスに交換することによって、未知の試料を簡便に検査することができます。
The Xradia 600-series Versa
ZEISS Xradia 610 Versa | ZEISS Xradia 620 Versa | |
---|---|---|
空間分解能a |
500 nm |
500 nm |
Resolution at a Distance (RaaD™)a,b |
1.0 μm |
1.0 μm |
最小達成可能ボクセルc |
40 nm |
40 nm |
X線源管電圧範囲 |
30–160 kV |
30–160 kV |
X線源最大出力 |
25 W |
25 W |
Scout-and-Scan™ 制御システム |
✓ |
✓ |
Scout-and-Zoom |
✓ |
✓ |
SmartShield |
|
✓ |
Vertical Stitch(縦方向画像スティッチ) |
✓ |
✓ |
XRM Python API |
✓ |
✓ |
自動フィルターチェンジャ (AFC) |
|
✓ |
高アスペクト比トモグラフィ (HART) |
|
✓ |
デュアルスキャンコントラストビジュアライザ (DSCoVer) |
|
✓ |
広視野モード |
0.4x |
0.4x and 4x |
ZEISS LabDCT 回折コントラストトモグラフ |
|
Optional |
ZEISS オートローダ |
Optional |
Optional |
In Situ インターフェースキット |
Optional |
Optional |
ZEISS OptiRecon |
Optional |
Optional |
ZEISS ZEN Intellesis |
Optional |
Optional |
ORS Dragonfly Pro |
Optional |
Optional |
ZEISS Metrology Extension (MTX) |
|
✓ |
a ZEISS Xradia 2D分解能ターゲット、通常視野モード、オプションの40倍対物レンズで測定された空間分解能
b RaaD™ 作動距離は回転軸周りのクリアランスとして定義
c ボクセルは、解像度と関連はあるが決定するものではない幾何学的用語。ここでは比較のためにのみ用いる
投資に見合った効果
ZEISS X線顕微鏡は、お客様の投資効果を上げるため、将来のイノベーションや開発のアップグレード、拡張できるように設計されています。このため顕微鏡の性能が最先端技術の進歩とともに進化することを保証しています。ZEISS Xradia Context microCTからZEISS Xradia 510/520 Versa、そして新たにZEISS Xradia 610/620 Versaの追加により、既存のシステムを現場で最新のX線顕微鏡に更新することができます。

Software
Simple Control System を使って効率的なワークフローを構築
関心領域を簡単に見つけ出し、Scout-and-Scan Control System 内でスキャンパラメータを指定します。ユーザーの多い共通設備では、使いやすいシステムがメリットを発揮します。
さまざまなメリット:
- 試料観察用内部カメラ
- レシピ管理(セット、保存、呼び出し)
- マルチエネルギー
- オートローダーオプションを用いた多サンプル処理
- マウスクリックするだけのマイクロポジショニング機能


Visualization and Analysis Software
ZEISSがお勧めするビジュアリゼーション&解析ソフトウェア Dragonfly Pro (Object Research Systems /ORS製)
X線、FIB-SEM、SEM、およびヘリウムイオン顕微鏡検査などを含む、さまざまなテクノロジーを用いて取得された 3D データのための、分析およびビジュアリゼーション向け上級ソフトウェアです。
Visual SI Advanced の後継である Dragonfly Pro は、鮮明度の高いビジュアリゼーション技術および業界をリードするグラフィックを提供します。Dragonfly Pro は、使いやすい Python scripting を用いたカスタマイズに対応。これによってユーザーは、その3Dデータの後処理環境およびワークフローを完璧にコントロールすることができます。
Downloads
ZEISS Xradia 610 and 620 Versa
Your 3D X-ray Microscopes for Faster Sub-Micron Imaging of Intact Samples
ページs: 40
ファイルサイズ: 12752 kB
工業用セラミックス研究のためのZEISS顕微鏡ソリューション
先端セラミックス設計のための2D、3D、4Dソリューション
ページs: 19
ファイルサイズ: 1546 kB
Metrology Extensionfor ZEISS Xradia Versa
Adding measurement accuracy to X-ray microscopy.
ページs: 4
ファイルサイズ: 812 kB
ZEISS DeepRecon
Faster throughput, superior image qualityfor industry
ページs: 2
ファイルサイズ: 5247 kB
ZEISS OptiRecon
Increased throughput with good image quality
ページs: 2
ファイルサイズ: 1335 kB
ZEISS ORS Dragonfly
Outstanding 3D visualization with best-in-class graphics
ページs: 2
ファイルサイズ: 561 kB
ZEISS Xradia Versa with FPX
Larger samples, higher throughput
ページs: 2
ファイルサイズ: 1729 kB
Diffraction Contrast Tomography
Unlocking Crystallographic Information from Laboratory X-ray Microscopy
ページs: 6
ファイルサイズ: 1248 kB
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