R&D能力
ZEISS モバイル・イメージング
ZEISS モバイル・イメージング
未来の課題にチャレンジしていくための日々の研究
130年以上にわたって写真を進化させてきたZEISSは、モバイルイメージングのための包括的な技術基盤を擁する企業です。ZEISSの確固たるノウハウとパートナーそれぞれの専門知識を組み合わせ、お客様や専門家の意見に耳を傾けながら、ZEISSとパートナーは比類のないモバイル写真体験を約束する最先端の技術を作り上げています。”
トーステン・ジーバーズ博士
技術&革新責任者、
ZEISSコンシューマープロダクツ
特化した技術
長い伝統が培ってきた独自のノウハウを最先端のソリューションに
長い伝統が培ってきた独自のノウハウを最先端のソリューションに
最先端イメージングシステムを代表するZEISSは、モバイルイメージングでもその地位をしっかりと確保しています。ZEISSの名が付されたスマートフォンは130年にわたるZEISSの技術革新の集大成とも呼べるものです。プロの写真や動画に革命をもたらしてきたZEISSのレンズやコーティング技術が、今日、収差や歪みのないシャープな画像、ワイドでダイナミックなレンジ、生き生きとした色彩、といったZEISSならではのイメージングをモバイルのエリアにももたらしています。
コンパクトなレンズが生み出すシャープでクリアな画像
ZEISS lenses revolutionized photography as early as 1890. And ZEISS Tessar laid the foundation for mobile imaging in the most literal sense, with great picture quality comparable to studio cameras but in a small form factor so it can be used on the move.
Tessarの変遷
1902年にZEISSの光学設計者パウル・ルドルフが設計した「鷹の目」とも呼ばれるTessarレンズは、20世紀初頭に新しい未来を切り開いたZEISSの画期的な開発の一つとされています。持ち運びに欠かせないコンパクトな形状に整えられたTessarは、スタジオ撮影同等の、あるいはそれ以上の素晴らしいきりりとシャープな画質を、どこでも実現できるレンズとしてカメラに導入されました。
今も息づくレガシー
スマートフォンカメラシステムの小さなスペースに収められるレンズの開発の中でも、このTessarのコンパクト設計は生き続けています。例えば、ソニーのXperia PRO-Iには非球面レンズを採用したZEISS Tessarレンズが搭載されています。そして、vivo X60シリーズのスマートフォンには、Tessarを使ったズーム機能をモバイルイメージングシステムに適応させた「Vario-Tessar」の名が刻み込まれています。
あらゆる光学系の表面に不可欠となった技術
異なる素材の薄膜を何層も重ねることで、迷光やゴースト、フレアを低減し、よりクリアな画像、そして優れた撮影効果を可能にする、反射防止コーティングは光学機器の性能を大きく左右するものです。
起源
1935年にZEISSのアレクサンダー・スマクラが発明し、特許を取得したこのコーティング技術は、まず双眼鏡とスポッティングスコープに使用され、瞬く間にあらゆるレンズ表面のコーティング技術として定着していきました。
現代の技術
ZEISS T*コーティングは、スマートフォンのイメージングシステムにも活用されている、ZEISSレンズのための最先端反射防止コーティングです。T*は透過層(Transmission Layer)の略で、光の透過率を大幅に向上させ、対象物の色を忠実に再現し、煩わしい反射を低減させます。その結果、夜間や逆光などの光条件が悪い環境下でもクリアな画像を実現し、特に屋外での撮影には欠かせないものになります。
スマートフォーンへの応用
Sony Xperia 1シリーズ、5シリーズ、Xperia PRO、PRO-I、vivo X60 Pro+、X70シリーズなどのフラッグシップモデルのリアカメラには、このようなハイクラスのモバイル機器にふさわしい最高画質を証明する、ZEISSの徹底した品質管理のもとT*規格をクリアした証明、「T*」の印が堂々と付されています。
スマートフォンにおける「ZEISSならではの画像」とは?
シャープネス、色再現性、ボケ(いわゆる3Dポップ効果)といった特長を誇る「ZEISSならではの画像」は、スマートフォンのカメラでもお楽しみいただけます。ZEISSの光学系は写真や動画に、大衆、そしてプロのアーティストが認めるワイドでダイナミックなレンジでシャープで収差や歪みのない画像、そして忠実な色合いといった確かな品質と輝きを与えます。
シャープで歪みのない画像
カール・ツァイスのパートナーであり、現代の科学光学系の基礎を発見したエルンスト・アッベは、顕微鏡、カメラを問わず、すべてのイメージングにおける絞り値の重要性を認識していました。歪みをできるだけ抑えるためには、高い解像度とプロが極めていくコントラストが必要になります。ZEISSのレンズは、革新的な新しいアイデア、精巧な光学設計、最高品質の部品、精密な機械設計を通してこれを実現しています。この伝統は、ZEISSの名が付されたすべてのスマートフォンにも受け継がれています。
ZEISSの色忠実度
自然な色合いは、素晴らしい未処理画像のみならず、後処理のための理想的な土台としても必要となる大前提です。色再現にはレンズ、センサー、ソフトウェアなど、画像を作り上げる各要素が影響を及ぼします。それらを相互にぴったりと調整するためには、画像処理システムの構成要素一つひとつを知り尽くし、それを検証し続けてきた経験が必要になります。従来のカメラシステムであれ、スマートフォン用の光学系であれ、ZEISSのエキスパートたちは、画像処理におけるアナログまたはデジタルカラーの処理で培ってきた何十年間の経験に基づき、自然な色合いを光学系とソフトウェアのための特性として定義しています。
ZEISS独自のポートレート背景ぼかし技術
レンズの収差や絞りの形状の違いによって生じるボケは、写真に独特の美しさを与え、ピントを合わせた対象を周囲からくっきりと浮かび上げる効果をもたらします。ZEISSのレンズは、ZEISS 3Dポップ効果と呼ばれる独特なボケ効果を生み出します。アイコニックなZEISSレンズからインスピレーションを受けたこのユニークなボケの特性は、パートナーのフラッグシップスマートフォンでも実現され、ZEISSならでは画質を備えたポートレートの撮影を可能にします。
例えば、スマートフォン「vivo X60」「X70」シリーズでは、ZEISS Contax Biotar 1.5/75を模範とし、伝説のZEISS Biotarレンズに似たスタイルでポートレート写真を撮影することができるZEISS Biotar Styleボケを実現しています。人物を鮮明に浮き彫りにしながら、渦を巻くような、目を引く、夢のようなボケ効果をお楽しみください。
しかし、ZEISSはこれだけでは満足しません。ZEISSはスマートフォンの写真や動画に映画のような質感を与えることも忘れてはいません。「vivo X80シリーズ」を皮切りに、モバイル機器で撮影する画像に楕円形のボケ効果を入れることもできます。
ZEISSイメージング・ラボ
モバイル・イメージングの未来を切り開くR&D
モバイル・イメージングの未来を切り開くR&D
ZEISSは130年以上写真界を革新技術でリードしてきた経験と、数十年にわたるモバイル・イメージングにおける経験を常に実践に活用しています。ZEISSイメージング・ラボは、ZEISSのすべての知識を未来のイメージング技術の研究開発に注ぎ込んでいる場所です。ZEISSが常に写真を進化させてきたように、このラボのエキスパート達もモバイル機器でのイメージングを向上させ、すべてのアーチファクトを抑えるための新しい方法を探求しています。例えば、迷光の予測のためにはハードウェアのプロトタイプのデジタルツインが使用されています。これにより、ゴーストやレンズフレアの根本的な原因を突き止め、ハードウェアのプロトタイプを製作する前に既に対策を講じることができるのです。
フォトグラフィーを追求してきたZEISS130年の歴史
ユニークな体験
ユニークな体験
ZEISSの名が付されたスマートフォンでは、きりりとシャープな画像、鮮やかな色彩、独自のポートレートモードなど、モバイル機器でも最先端のイメージング技術を実感していただけます。しかし、このような画質は簡単に達成できるものではありません。ZEISSはその176年の歴史のうち130年以上にわたって、野心的なプロの写真家やビデオグラファーのための画像技術の革新と進化に取り組んできました。
パウル・ルドルフ博士
19世紀末、ZEISSの光学設計者パウル・ルドルフとそのチームが革新的なレンズ、「Protar」「Planar」「Tessar」で業界に革命を起こしました。
ZEISS ProtarとPlanar - イメージング技術の革命
パウル・ルドルフは、1890年に世界初のアナスチグマートレンズ、ZEISS Protarを設計した人物です。像面湾曲と非点収差をすべて解消し、歪みのないイメージングを実現したこのレンズは、その後の多くのレンズ開発の基礎となりました。そのひとつであるZEISS Planarレンズ(特許取得、1897年)は、球面収差や色収差を格段に抑えたフラットな画像を実現し、今日まで写真用プロ光学機器の原点となっている存在です。
ZEISS Tessar – コンパクトな形状で鮮明画像
1902年、コンパクトな形状でシャープな画像を実現するというこれまでに達成できなかったゴールを達成した「鷹の目」と呼ばれるZEISS Tessarはスタジオの外でも撮影できるカメラの製造を可能にしました。現在でもこれがモバイル機器のレンズの原型となっています。最新のスマートフォンに搭載されているプレミアムズーム機能「Vario-Tessar」は、このTessarの特性を名前と機能の両方で踏襲した画期的なレンズ技術です。
アレクサンダー・スマクラ
ZIESSの物理学者アレクサンダー・スマクラが、ガラス表面への反射防止効果の高いコーティングを発明し、特許を取得したのは1935年のことです。これは写真の歴史における画期的な出来事でした。この発明はより高い透明度と画質が可能になり、これは多種多様な光学系の表面を処理する業界のスタンダードとなりました。
ZEISS T* コーティング – 光学系の新しいスタンダードを定義した反射防止技術
ZEISS T*コーティングは、迷光、ゴースト、フレアなどの撮影で発生する乱れを大幅に軽減し、光透過率を高め、屋外など光条件が難しい環境下での撮影を大幅に向上させる、現在最も高く評価されているコーティングです。
宇宙でのフォトグラフィー
人類最後のフロンティアは宇宙です。そしてそれはフォトグラフィーにとって切り開いていくべき新境地でもあります。各国が宇宙開発でその実力を競っていた20世紀半ば、「モバイルイメージング」という言葉が文字どおり新たな高みへと進んでいきました。初の宇宙ミッションが始まり、すぐさまミッションにおける写真撮影の重要性が顕在化しました。そこで宇宙の極限状況でも画像を確実に捉える技術の開発がZEISSに託されることになりました。
地球周回軌道上での最初の写真
1962年、ハッセルブラッド500Cとわずかに手を加えたZEISS Planarレンズが初めて、地球周回軌道上での画像を捉えました。
アメリカ人宇宙飛行士遊泳の初画像
1965年、アメリカ初の宇宙遊泳にZEISS Ikon Contarex Specialカメラが同行しました。このカメラは無重力の環境での宇宙飛行士の遊泳をサポートするガス式の推進砲に取り付けられました。この画像は宇宙ミッションにおける写真撮影の重要性を認識させるものとなりました。
月周回軌道から地球を撮影した初のカラー写真
1968年、ハッセルブラッド500Cカメラがアポロ8号で再び使用され、地球が月軌道から初めてカラーで撮影されました。この画像は人類が心に描く地球像を永久に変えることになりました。
月面着陸をショット
1969年には、月面着陸ミッションのために特別設計され、ハッセルブラッドのデータカメラに搭載されたZEISS Biogon広角レンズが、月面を隅々まで鮮やかなコントラストの超高画質画像で撮影することに成功しました。
シネマトグラフィー
1937年: ZEISSがカメラシステムメーカーARRIと共同で映画用カメラ「Arriflex 35」を開発。映画制作者は、撮影中にファインダーのレンズを通して直接、フル画質で映像を見ることができるようになりました。この開発以降、ハリウッドをはじめとする数多くの映画がZEISSレンズで撮影され、世界中の映画ファンのために感動の映像を捉えています。
アカデミー科学技術賞®
ZEISSの映画撮影用レンズは、多くの名作で際立った映像の制作に貢献しています。ZEISSの優れた映像技術はアカデミー科学技術賞で3回受賞の栄誉に輝いています。
ZEISS ZX1:プロの写真がスマートなコネクティビティに出会うとき
現代のモバイル機器には多くのZEISSの画期的な技術など、従来のカメラの様々な機能が搭載され始めています。ZEISSは全く新しいアプローチでZEISS ZX1の開発に取り組みました。ZEISS初のこのフルサイズデジタルカメラは、従来のカメラボディにAndroidプラットフォームを搭載しています。これにより、プロフェッショナルな写真編集ために、パワフルな最新のスマートフォンのようにスマートに繋がるユーザーエクスペリエンスを最上級のカメラシステムに添えることができるようになりました。このカメラは現在市販されているフルサイズカメラの中で、カメラ上で直接RAW画像を編集し、オンラインで共有することができる唯一のカメラです。
卓越の画質
アナログとデジタルのメリットが一体となったZEISS ZX1:ZEISS Distagonレンズと37.4MP CMOSセンサーが、ストリート、トラベル、ドキュメンタリーなど、スタジオ外での撮影に最上級の画質を約束します。
撮影。編集。シェア。
インストール済みのAdobe Photoshop Lightroomを使えば、どこにいても露出や色調の補正から選択的な編集まで、カメラで直接写真や動画を処理することができます。直感的に操作できるマルチタッチナビゲーションと使いやすいツールバーで、スマートフォンのように画像をシームレスに処理することができます。ユーザーはWi-Fi接続を介して、自分の作品をソーシャルメディアプラットフォームでフォロワーと共有したり、クラウドストレージやNASシステムでバックアップをとることができます。
ハードウェアのノウハウ
ZEISS ZX1は、ハードウェア、ソフトウェア、システムインテグレーションのエリアでZEISSが培ってきたノウハウの集大成であり、またそれを証明するものでもあります。また、この開発で得られた技術的な知見は、ソニーやvivoなどのパートナーとの共同プロジェクトにも応用されています。ZEISS ZX1やZEISSのレンズや技術を搭載したモバイルイメージングシステムで、ZEISSはパートナーとともに未来を切り開いていきます。