健康と予防

矯正されていないメガネや不適切な光環境は、目に悪影響を及ぼすことがあるのでしょうか?

目に負担をかけ過ぎた場合、どのようなことが起きるのでしょうか?

16 10月 2022
  • 矯正されていないメガネや不適切な光環境は、目に悪影響を及ぼすことがあるのでしょうか?

メガネが正確に矯正されていなければ、目の能力を最大限に引き出すことはできません。これは、日常生活の質を低下させてしまいます。レストランのメニューを読めずに不便を感じたり、車の運転に不安を感じたりするなどさまざまな場面が想定できます。ここでいくつかの疑問が思い浮かぶでしょう。メガネの度数が強すぎたり(過矯正)、弱すぎたり(矯正不足)すると、目に悪影響を及ぼすことがあるのでしょうか?視界を正しく補正していないと、どのような影響があるのでしょうか?眼精疲労、または不適切な光環境(明るすぎる、または暗すぎる)は、目にとってリスクがあるのでしょうか?BETTER VISION が、これらの疑問にお答えします。

メガネが正しく矯正されていないと、目に悪影響を及ぼすことがあるのでしょうか?

そんなことはありません。度数の合っていないメガネを使用することで目の健康に悪影響が及ぼすことはありません。ただし、大人の目と、成長期の子どもの目とでは区別をする必要があります。正確に矯正されていないメガネは、子どもや若い人のの視力を確実に低下させることになります。子どもは、初めから正視(正常な視力を持つ目)というわけではありません。視力とは生まれつき理想的なものではないのです。子どもの視力は段階的に発達します。母親を目で追うなど間近なのものを見ることから始まって、そのうち絵画や読書のために必要となるクローズアップ能力や立体的な距離を識別する能力が身につきます。別の言い方をすれば、はじめのうちは、若干の遠視が有益であり、そのうち年齢とともに慣れていくものなのです。メガネは、子供の視力が最適に発育するのをサポートします。大人であれば、近視であろうと、遠視であろうと、あるいは正確に矯正されていないメガネを装用していようと、視覚的な欠陥によって目を害することはありません。その代わり、大人の目は、状況に応じてうまく適応し、異なる距離に正確に焦点を合わせ、できるだけよい視界を得ることを「学習」します。目に過剰な負担がかかるこの状態が長期間続くと、やがて顕著な症状が現れます。

メガネが正確に矯正されていない場合、どのような悪影響が現れますか?

装用者の目に合わせて最適にフィッティングされていないメガネは、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。典型的な例は、メガネをかけてもよく見えない、と気づく場合です。これは、主観的に視力が低下したと感じることにつながります。目を傷つけるわけではありませんが、明らかに目に大きな負担がかかるでしょう。目を過剰に働かせていることになるからです。結果として、頭痛や首の痛みから、めまいや複視に至るまで、様々な症状を引き起こす可能性があります。また、目の充血やかゆみなども考えられます。このような症状は、合わないメガネの装用だけが原因ではありません。乾燥した空気もまた原因である可能性があります。ですが、正確なフイッティングをしていないメガネを着用すれば、このような問題が起きやすくなることは確かです。

合わないメガネを長期間着用することで、目を傷けることはあるでしょうか?

いいえ、そのような危険は全くありません。加齢とともに視覚的な能力が衰え、かつて最適に矯正されたはずのメガネをかけていても、次第に見えにくくなる、というような場合は何の問題もありません。また、視覚能力を最大限に引き出せていなくても、そのことに気づかないということもあります。そのような状態に慣れてしまうこともあるからです。このため、多くの視力障害は、運転免許証の申請の際などに行われる、客観的な視力テストによって発見されます。

携帯電話やパソコンなどの画面の人工光のぎらつきも、同じように目に害はないのでしょうか?

はい、ありません。目にとって唯一危険なのは、目のレンズが網膜上に直接光を集光する直射日光です。これは、カメラのレンズがセンサーに与える影響に似ています。熱の悪影響によって、細胞を恒久的に傷つける可能性が十分にあります。太陽を直接のぞき込んだ後に、一時的に目が見えなくなるという体験は誰にでもあるでしょう。角膜上の受容体が過剰に刺激されて、一時的に視力が失われたのです。長い間太陽を見過ぎると、長期的に目を害する可能性があります。

しかし、携帯電話やノートパソコンのディスプレイから放出されるような光は、全くの無害です。長時間の使用さえ、目へのリスクはありません。なぜでしょう。まず、これらの機器は通常安全が確認されています。。一方、ヒトの目は、まつげや眉などによって光による刺激やまぶしさなどから十分保護されているということもあります。目を細めたり、閉じたりというような反射的な反応も、光を効率的に減らす役割を果たしています。これらはすべて、無意識のうちに行う反応です。言い方を変えれば、目には自動的に保護機能が備わっていると言えます。ですから、強すぎる光などというものは存在しません。

ところで、「視力」がこれらすべての機能に関係しているということをご存知でしょうか?

視力」とは、目の一般的な視覚能力をあらわすために使用される用語です。視覚障害の有無、また、メガネをかけているかどうか、ということに関係なく、模様や輪郭をどれくらい認識できるかを表す指標です。この値は人によって異なります。年齢によっても違いのあるこの値は、特定の視力テストを用いて測定されます。良好な視力の平均値は、1.0です。若い人であれば、視力は1.0~1.6となりますが、 加齢とともに次第に衰えていきます。70歳を超えると、0.6~1.0の間の値が普通になります。ところが、乗り物のドライバーには、少なくとも0.7の視力が必要です。

もちろん、視力はメガネレンズをフィッティングする時に重要な役割を果たします。眼鏡店では、客観的な視力測定を行い、網膜上に鮮明な画像が映し出されるために必要な度数を特定します。可能な限り良好な視力が得られることを目的にしています。


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