大きなビジョンを持った小さな会社

Three-M Tool and Machine Incorporated社は、従業員80名の小さなメーカーですが高度な技術を有しています。4年前、Three-M社は風力タービンの部品製造を受注しました。Three-M社は、Carl Zeissの測定技術を使ってこのワークの要求精度を保証しています。

Moventas社がZEISSのソリューションを用いて成果を上げた方法:
ZEISS MMZ G
ZEISS CALYPSO
ZEISS VAST gold
成果:
  • 精度と再現性の向上
  • 測定時間を12分の1まで短縮

座標測定機により風力タービンの製造部品に必要な精度を保証します

状況

Three-M Tool and Machine Incorporatedは、ミシガン州ウィクソムにある小さなメーカーで、成長する風力発電市場でのビジネスを拡大させたいと考えていました。そのためには、競合他社に負けないツールが会社にあれば、そのツールが会社の長期的ビジョンの鍵となることにすぐに気づきました。

2008年、Three-M社はClipper Windpower社とギアボックスおよびフォワードハウジングの製造契約を結びました。それまでは、DEA社の古いガントリー形システムを使用して、大型部品の品質検査を行っていました。しかし、機械の速度や検査可能サイズが限られており、新しいハウジングは組み立てた状態で測定するのは不可能でした。1か月当たりに製造しなければならない量は16個でしたが、このままでは3個しか製造できないことになりました。そこで、より効率的で高性能な測定システムの調査が始まりました。

ギアボックスハウジングを測定するThree-M社の従業員。
ギアボックスハウジングを測定するThree-M社の従業員。
Three-M Tool and Machine Incorporated社社長、Michael Medwid氏。
Three-M Tool and Machine Incorporated社社長、Michael Medwid氏。

Carl Zeissの座標測定機の良い経験が決め手に

Three-M社は、1975年に購入したCarl ZeissのUMC 850の印象が良かったため、今回もCarl Zeiss製品を調査しました。そして2005年、VAST XTアクティブスキャニングセンサ搭載の座標測定機 CONTURAを追加購入しました。「私たちが最初に購入したZEISSのCMMで、精度の本当の意味を知りました。」と、Three-M Tool and Machine Incorporatedの社長、Michael Medwid氏は言っています。

この会社ではCarl Zeissのガントリー形座標測定機 MMZ Gを、高さ3メートルの部品の測定が可能な構成で購入しました。これが直立するギアボックスハウジングの検査に最適なソリューションでした。このCMMは、毎秒300ポイントの速度で測定可能なVAST gold プローブを備えています。VAST gold プローブは、長さ800mm、重量600gまでのスタイラスを使ったスキャニングができます。Three-M社はCarl Zeissがこの業務に適している測定機を持っているだけでなく、コストと納期の面で非常に競争力あることを感じていました。

“「初めて購入したZEISS CMMから、真の正確さというものを教わりました」"

Three-M Tool and Machine Incorporated社社長、Michael Medwid氏

他社に先駆けて

Three-M社は、Clipper社の新しいプロジェクトを処理するため、最も精度の高い最先端技術を備えたフライス盤もいくつか購入しました。「購入したフライス盤は米国でも最高レベルのものです。しかし、部品に求められる公差を満たすほどの精度はありません。私たちは、フライス盤から部品を取り出してすぐに予定通りに機械加工できるわけではありません。」と、Michael Medwid氏は述べています。この大型部品の位置度の公差はおよそ25ミクロンです。この新しい部品は一般的に鋳鉄から作られていますが、3分割してから大まかに機械加工した後、3つを組み立てて工程内検査に回します。ここで、ネジ穴がそろっているかを確認し、個別の鋳造物として再加工し完成品とします。その後、最終組み立てを行い最終検査をします。工程内検査は10個ごとに行われ、最終検査は全数で行われます。この検査工程をパスできない鋳造物は、形状に問題があることになります。

2010年、ZF Industries社から2人の技術者がThree-M社を訪れ、ギアボックスハウジングのプロトタイプの製造を見学しました。ZF Industries社は既に、3台のZEISS製 CMMを自社のグリーンビル工場で運用していたため、このシステムには理解がありました。「2時間後、彼らは上司に電話して、新しくサプライヤーとなる会社を見つけたと告げて視察を中止しました。」とMedwid氏は言います。「我々のZEISSの MMZ-Gが彼らの決断の決め手になりました。」とMedwid氏は主張しています。

明るい見通し

将来的には、Three-M社はMMZ-Gシステムにより、さらに工作機械の部品を取り扱うことができると明るい見通しを持っています。現在は事業の拡大に伴い、CMMを2交代制で稼働させています。Three-M社がCarl Zeissの製品を採用して最も良かったと考える点は、Carl Zeissの販売チームのサービスとフォローアップの2点でした。「ZEISSの CMMにより、競合他社に勝ることが可能になり、大きなビジョンも持てるようになりました。」とMichael Medwid氏は述べています。

Three-M社について

Three-M Tool and Machine Incorporated社は、工作機械および精密加工機マーケットに特化して事業を展開しています。Three-M社はまた、顧客の図面や仕様に基づいた、工作機械産業で使用する新しい特殊機械部品の製造や再構成部品の製造なども行っています。Three-Mは1971年に設立され、本社は米国ミシガン州のウィクソムにあります。