視覚について理解する

最高の視界を実現するレンズ

視覚障害のタイプと適したレンズ

14 3月 2020
  • 最高の視界を実現するレンズ

近視、遠視、老視。私たちの視覚を制限しかねない問題は数多くあります。多くの場合は、適切なレンズを入れて最適にフィッティングしたメガネが、再びクリアに見る助けになります。どんな視覚的な問題があり、それぞれどんなレンズが適しているのでしょうか。レンズはメガネのなかでももっとも重要な部分であり、その選択は非常に重要です。BETTER VISIONでは、視覚の異常、視力障害や見え方の問題を効果的に矯正する各種レンズをご紹介します。

クラシカルなレンズソリューション

近視用の単焦点レンズ
近視用の単焦点レンズ
近視用の単焦点レンズ

近視および遠視用の単焦点レンズ

単焦点レンズはレンズ表面のあらゆる部分の屈折力が同一です。すなわち、レンズ全体で度数が同じです。視力矯正手段としてもっとも一般的な、遠用メガネおよび老眼用メガネに使用されています。両者の違いは何でしょうか。老眼用メガネに使われる単焦点レンズは、近見用に最適化され、遠視患者の標準的な読書距離に合わせられています。これらのレンズは読書だけでなく、スマートフォンやタブレットの小さな文字を読むのにも適しています。

遠視用の単焦点レンズ
遠視用の単焦点レンズ
遠視用の単焦点レンズ

近視と遠視をよりよく理解するには、まずはものが見える仕組みを説明する必要があります。ものを明確に捉えるには、視覚系は私たちが見ているものの像を網膜上に投影する必要があります。その手前でも後ろでもだめなのです。視力障害がある人は、この機能がうまく働きません。遠視の場合、目は近くのものを網膜の後方で結像するため、近くのものがぼやけて見えます。近視の場合は反対に、遠くのものがぼやけて見えます。近視の目は、網膜の上ではなくその手前で像を結ぶからです。最適にフィッティングしたメガネが、近くのものと遠くのものを再びクリアに見る助けになります。

乱視用の単焦点レンズ
乱視用の単焦点レンズ
乱視用の単焦点レンズ

乱視もまた、  単焦点レンズで矯正することができます。  
その方法は、追加の度数をレンズに組み込むことで乱視を相殺するというものです。これは乱視の一般的な矯正方法として知られており(処方箋ではcylと表記)、 円柱レンズと呼ばれます。

斜位のある人向けのプリズムレンズ

斜位がある患者の場合、プリズムレンズが両目の連携を最適化してくれます。斜位 (隠れ斜視または潜伏斜視とも) においては、装用者の視線は完全に平行ではなく、これにより奥行き知覚が損なわれます。脳と目の筋肉は常に複視を避けようとするため、患者は強い疲労感を覚え、しばしば頭痛を訴えます。プリズムを付けたメガネは、少なくとも片眼のレンズに特殊な研磨を施すことで、この変則的な視覚を釣り合わせます。結果として両目の可動性と連携が改善し、装用者はより明瞭に、より無理なく見られるようになります。

近見、遠見の問題に対応する二重焦点レンズ

近見、遠見の問題に対応する二重焦点レンズ

二重焦点レンズは2枚のレンズが合成されていて、装用者が近くと遠くのものの両方をクリアに見えるようにします。2枚のレンズの間には境界線が入っており、下側のレンズの方が小さく、小さな窓のように見えます。この部分が近見用の「読書ゾーン」になり、レンズのその他の部分では遠くのものを快適に見られます。二重焦点 (bifocal) という名称は、2つの度が入っていることに由来します。biはラテン語で2を、focalは焦点を意味します。二重焦点レンズはかつては老視の矯正に一般的に使用されていましたが、 最近はあまり人気がありません。多くの装用者は、はっきりと見て取れる境界線の見た目を気にし、また階段を登る際などに不快感を感じています。解決策は 最新の累進レンズです。累進レンズは、異なるゾーン間で度数がなめらかに変化するため、より快適に見ることができます。

複数の距離の見え方に問題がある場合に使われる三重焦点レンズ

複数の距離の見え方に問題がある場合に使われる三重焦点レンズ

三重焦点レンズ (trifocal: triは3を、focalは焦点を意味します) は二重焦点レンズと似た構造をしており、老視の人が使用します。近距離および遠距離を最適化するだけでなく、50cmから150cm程度の中距離の見え方を矯正するもう一つのゾーンが組み込まれています。三重焦点の難点は二重焦点レンズと同様、ゾーン間の度数変化が急激で、またレンズ上に目に見える境界線があることです。これらの理由から、ますます多くの人が最新の累進レンズを選ぶようになっています。

近視、遠視、乱視、そして老視に対応する累進レンズ
近視、遠視、乱視、そして老視に対応する累進レンズ

近視、遠視、乱視、そして老視に対応する累進レンズ

累進レンズには、二重焦点および三重焦点レンズに比べて明確なメリットがあります。累進レンズには近距離用、中距離用、遠距離用の度が入っており、レンズ内で度数がシームレスに変化し、境界線がありません。度数はレンズの上から下まで、遠見から近見までなめらかに変化します。累進レンズはクリアで無理のない視界をあらゆる距離で実現するため、近視、遠視、そして老視において最適な選択肢になります。読書、パソコンワークあるいは手元作業、または単に遠くを眺める場合にも適しています。

類い稀な視覚快適性を叶える最先端の製造方法により、ZEISSの累進レンズは幅広い要素を取り入れ、装用者一人ひとりのニーズに合わせて高精度で製造されます。ZEISSがレンズ製造の際に考慮に入れる、個々の顔ごとに異なるパラメーターとしては、瞳孔間距離、フレーム前傾角、角膜頂点間距離などが挙げられます。

移行部での像のぼやけや階段を登る際の問題など、かつての累進レンズの特徴はほぼ過去のものになりました。今日の累進レンズはクリアで自然な視界を実現するだけでなく、あらゆる距離と方向ですばやいピント合わせを可能にします。初めてメガネをかける人にとっても、単焦点の老眼用メガネから累進レンズに切り替える人にとっても、これまでは遠用レンズしか必要としなかった人にとっても、毎日の生活で使いやすい最適なメガネです。累進レンズは、老視初期の正常な視力の人や乱視の人にも理想的なソリューションです。

どのようなニーズをお持ちでも、取扱店にご相談ください。最適な  累進レンズ  選びをお手伝いします。

特別な目的に対応するレンズ

メガネは、それをかける人と同じくらい唯一無二の存在です。ライフスタイル、趣味や職業によって、メガネは幅広いニーズに応えなければなりません。眼鏡店で視覚ニーズを徹底的に分析し、自分にはどのレンズが最適なのか推奨してもらうことが重要です。「通常の」レンズオプションに加えて、最適な視覚をサポートする特別なレンズもあります。例えば:

Woman holding takeaway coffee and using smart phone

デジタルライフスタイルに適した、デジタル眼精疲労を予防するレンズ

スマートフォンや電子書籍リーダーなどのデジタルテクノロジーの使用は、私たちの目に日々大きな負担をかけています。目は、新しい近見距離に適応しなければなりません。私たちは、デジタルデバイスを新聞や本を読むときよりも目の近くに持つからです。また、デジタルデバイス使用時には、視線は異なる距離の間を頻繁に行き来することになります。これが、特に年齢と共に頭痛や首の痛み、目のひりひり感や疲労感につながるようになります。  ZEISS Digital Lensなど、近くを見る際に目を特別にサポートする設計のレンズが一つの解決策になるでしょう。このレンズは電子書籍リーダーやスマートフォンなどのデジタルデバイスの使用を念頭に開発されており、近距離および遠距離で焦点を合わせやすくなります。ZEISSデジタルインサイドテクノロジーは、累進レンズにも搭載できます。

Portrait of businessman driving car for work

運転時にぎらつきのない良好な視界を実現するレンズ

良好な視界は安全運転に欠かせない条件です。というのも、運転中の目は道路からGPS、バックミラーからサイドミラーとひっきりなしに視線を移す必要があり、全力で働いているからです。悪天候時や光の少ない状況では、普段より見えにくくなるものです。私たちが運転時に直面する特定の状況に合わせて最適化されたレンズ (単焦点および遠近両用タイプが揃った  ZEISS DriveSafe Lenses など) は、運転時の視覚的ストレスを軽減し、ドライバーがより無理なく見られるようにします。反射に敏感な人にとって嬉しいことに、DriveSafe Lensにはぎらつき感を減らす効果もあります。

Woman looking at computer screen with glasses on

仕事に適したメガネレンズ

多くの人は、40歳を超えた頃からある変化に気づきます。パソコンに向かって仕事をしている際に、キーボードから画面、あるいはカレンダーから電話に視線を移すことが急に目の負担になるようになります。異なる距離のものを明瞭に見るために、しばしば、前かがみになったりあごを突き出したり、無意識のうちに無理な姿勢をとります。その結果、背中や首の痛み、目の乾燥や涙目といった症状に悩まされることになります。  ZEISS Office Lenses  は、このタイプの視覚ストレスを予防します。仕事中ならではの視覚ニーズに合わせてカスタマイズされており、パソコン作業時に必要なあらゆる距離に合わせて最適化されています。老眼用メガネおよび累進レンズは、レンズ上の対応するゾーンがオフィスワーク用に最適化されていないため、理想的な解決策とは限りません。老眼用メガネは近見範囲しか最適に見ることができず、パソコン仕事やオフィスワーク全般には近すぎます。累進レンズの場合、装用者はパソコン画面をレンズの中距離ゾーンを通して見ることになり、画面を明瞭に見るためには顔を若干上げる必要があります。いずれのタイプのレンズも、着席時に不自然な姿勢を取る原因となり、首や肩、背中のコリと頭痛を引き起こす恐れがあります。

自動的に色の変化する調光レンズ。メガネのかけ替えなしで太陽光からのプロテクションを。

職場でも自宅でも、特別なサングラスレンズは多くの場面で視覚的な快適性を向上させます。あらゆるレンズをセルフティントレンズ(調光レンズ)にできることをご存じですか?    セルフティントレンズは完璧な紫外線防護と最適な視界を一枚のレンズで実現し、メガネをかけ替える手間を省きます。セルフティントレンズ(調光レンズ)には、コントラストの向上、ぎらつき軽減、そして反射防止コートといったあらゆる望ましい機能が揃っています。レンズは紫外線の強さに応じて、淡い色からサングラス同様の濃い色まで変化します。ほんの数秒で発色し、数分でクリアな状態に戻ります。

メガネレンズには実にさまざまな種類があり、自分に合ったものが必ず見つかります。あなたに合ったレンズはどれでしょうか?視覚プロフィールチェックを受けて、すばやく簡単に明らかにしましょう。自分の視覚ニーズを包括的に分析さえすれば、最適なレンズが必ず見つかります。


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