健康と予防

目のアレルギー - 即効対策

効果的に治療し、効果的に守るには

2021年 10月 16日
  • 目のアレルギー - 即効対策

花粉症の季節です。目が真っ赤に腫れ、涙が出てかゆみが止まらないあのいやな花粉症。メガネやコンタクトの装用者にとり、この悩みは本当に深刻です。犯人は、そう花粉です。アレルギー反応を示す数多くの器官の中で、最も深刻に悩まされるのは、目への影響でしょう。BETTER VISIONでは、目のアレルギーの原因と手当てに注目し、そして急性の症状を軽減する方法を探ってみました。

アレルギー反応では、いったいどのようなことが起きているのでしょうか。

私たちの身体は、異物または潜在的に有害な物質に触れると、拒絶反応を起こします。それらの物質のひとつがアレルゲンと呼ばれるものです。これらは、本来、身体にとっては何も脅威ではない非常に小さいたんぱく質です。

しかし、アレルギーのある人の身体は、これに対して特殊な抗体をつくり、皮膚や粘膜が様々な組織ホルモンを放出します。アレルギー症状に関して、最も重要なホルモンはその中のひとつのヒスタミンです。ヒスタミンは、例えばかゆみ、息切れ、血管の拡張といった身体の多くのアレルギー症状の原因となります。

免疫システムは、身体がアレルゲンを体験して初めて活性化します。このプロセスは新しい接触があるたびに起こります。すなわち、身体がひとつの物質に対して一度アレルギーを起こすと、二度と忘れないのです。別の言い方をすると、その物質との接触は、通常は数分以内、場合によっては一時間程度と非常に速くアレルギー反応につながるようになります。

目の反応は、特に深刻です。結膜と粘膜は異物に対しては即座に反応し、血管が膨張し、液体が放出されます。私たちは、これを涙や鼻水が止まらず、腫れたり赤くなったりするという形で体験をします。涙は次第にアレルゲンを目から流し出し、ゆっくりと症状を軽減します。

救いは手元に ― 適切なメガネは目を守ります

花粉症シーズン中、サングラスであろうと、普段の度の入ったメガネであろうと、メガネは花粉に悩まされる目を守ります。スポーツモデルやサイドの幅が広いフレームはアレルギーに悩む人にはぴったりです。繊細な目をまぶしい光、風や空気中の花粉から守ります。

目のアレルギーの原因は何でしょう?

季節によって、通常では多くの場合、花粉が最も多いアレルギーの原因となります。しかし、動物の毛、チリダニ、カビ、昆虫の毒素、あるいは、グルタミンなどの特定の食品など、目の結膜に刺激を与える要素は他にも多くあります。アレルギーの人は、自分のアレルギーの原因となるものが何であるか、正確に把握する必要があります。皮膚科あるいは、アレルギーの専門家はそのために色々なテストを実施しています。そのひとつが、花粉症の診断に使われるプリックテストです。異なる種類の花粉を皮膚に塗布し、ひっかきます。でも、傷跡が残ることはありませんのでご心配なく。20分ほどすると、医師は皮膚の反応を見てアレルギーの有無を判断し、そしてアレルギーがあれば何に対するものであるか、そしてそのための適切な治療を提案できます。

パッチテストはアレルギー性接触皮膚炎を診断するためのものです。これは、患者の背中にいくつかのパッチを貼って行います。パッチにはアレルギーを引き起こす原因と推定される物質が含まれています。通常、24時間から48時間塗布され、医師は一目で皮膚がどの物質に反応したか診断することができます。

目のアレルギーを治療することはできますか?

はい。マスト細胞の安定化を行う長期的な免疫治療か、H1ブロッカーという名で知られている薬を使います。目のアレルギーの原因がわかっている場合には、焦点をしぼった免疫治療によ り、70%が治るとされています。この場合は、アレルギーを起こす原因となる物質を非常に薄めた形で六ヶ月から三年にわたって繰り返し患者に与えます。この方法で、身体は次第にアレルゲンを抵抗せずに「受け入れる」ことを覚えます。

このようなタイプの治療に効果が出ない患者にとり、目薬や、スプレーといった形の花粉症対策が効果的かもしれません。薬は、マスト細胞を安定させ、そこに含まれているヒスタミンが放出されないようにします。アレルギー反応は全く起きないか、起きたとしても、非常に軽い症状が出るだけです。この薬は定期的に、そして適切なタイミングで服用されなくてはなりません。しかし、これには予防的な効用があるのみで、急性の症状を軽減することはありません。   花粉シーズンが始まる前に、1日に数回、二、三週間の間服用されます。このような薬は、通常処方箋なしで買うことができます。

症状が急激あるいは深刻である場合、例えば、激しいかゆみがある場合などは、H1ブロッカーが第一選択肢です。これらは結膜内の血管が鎮炎剤をよく通し、ヒスタミン受容体をブロックするよう調整し、炎症性のヒスタミン反応を予防します。この物質を含む目薬には、処方箋が必要になります。

コンタクトレンズ装用者の助けになるものはありますか?

ソフトコンタクトレンズ装用者が花粉症を患った場合には、特に不利になります。花粉症に効く目薬は、症状を軽減するものとしては非常に効果的なのですが、ハードレンズに比べ気孔が大きいソフトレンズには向かない場合が多いのです。これらの気孔にたまった目薬がコンタクトレンズの材質の一部を溶かし、結膜と角膜の負担をさらに増大してしまうことがあります。花粉症のソフトレンズ装用者にとり、スポーツモデルのサングラスまたは使い捨てレンズを使用することもひとつの選択肢でしょう。毎回パッケージから取り出す後者は、花粉にさらされることなく、装着できます。

毎日の暮らしのためのヒント

花粉への接触を最小限にとどめるためのヒントを以下に挙げました。

  • 1//

    家の中では、何箇所かに濡れタオルをかけましょう。空気中を飛び回る花粉の一部を阻みます。

  • 2//

    窓は基本的には閉め、部屋の換気は特定の時間帯に限定しましょう。郊外の最も花粉が少ない時間帯は、夜の七時頃から十二時頃、市内では朝の六時から八時頃です。

  • 3//

    カーペットやマットは定期的に掃除機をかけるか、床はラミネートやフローリングなどの材質を選びましょう。

  • 4//

    一日に数回顔を洗い、目をすすぎ、夜の就寝前には髪を洗い、窓を閉めましょう。

  • 5//

    寝室ではなく、できるならバスルームで着替えましょう。バスルームはシャワーなどで湿度が高いため、衣服に付着した花粉が部屋の中で飛散することが抑えられます。

  • 6//

    クルマの運転中は、窓を閉め、換気システムにはフィルターを搭載しましょう。


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