プレスリリース

【全国調査】歯科診療の「精密さ」はどこまで浸透したか?

カールツァイスメディテック株式会社、歯科用ルーペと顕微鏡に関する全国調査結果を発表
2025年 11月 20日

歯科用ルーペの浸透率81%、顕微鏡は導入意向37%へ

カールツァイスメディテック株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 :ヴィンセント・マチュー)は、日本の歯科医師200名を対象に、歯科用ルーペおよび顕微鏡の使用状況、重要度、そして顕微鏡機能への期待に関するオンライン調査を実施し、分析結果を発表しました。

本調査は、精密治療の基盤がルーペで確立された今、次世代の精密医療の要となる顕微鏡の潜在的な利用意向を明確にすることで、歯科医療の今後の方向性を示すことを目的としています。

グラフ1

調査結果ハイライト:ルーペは「標準装備」、顕微鏡は「成長エンジン」へ

1. 歯科用ルーペは日常診療の必需品

  • 重要性の認識: 歯科医師の63%がルーペを「とても重要」、合計86%が重要と回答。
  • 使用率の高さ: 歯科医師の57%が「いつも使用」、合計81%が現在使用していると回答。
  • 考察: 回答には「裸眼での治療はあり得ない」「ルーペをしないと仕事にならないため」などがあり、ルーペはもはや視力補完ツールではなく、診療の効率化と精密さの向上に不可欠な標準ツールとして定着しています。その手軽さと機動性が、日常診療のベースラインを押し上げています。

2. 歯科用顕微鏡は、将来への投資として期待が高まる

  • 重要度と使用状況にギャップあり: 「とても重要」と「やや重要」を合わせると60%に上るが「いつも使用」と「たまに使用」と合わせて44%と隔たりがある。
  • 高い導入意向:「現在未使用だが、使ってみたい」という回答が37%と最上位を占めた。
  • 考察: 顕微鏡を「いつも使用」する歯科医の意見には、「拡大視野下での治療は精度が上がる」「治療中の写真を撮影して患者へプレゼンしている」「録画ができるから」「姿勢の維持につながる」といった意見があり、顕微鏡による精度向上のみならず、患者説明、姿勢維持などの利点も上がっていました。コストや設置スペース、習熟までのラーニングカーブが依然として導入の障壁であるものの、顕微鏡の実現する超精密治療への期待は非常に高いことが判明しました。特に、「自費につながる」「自費の根管治療やってみたいから」といった意見からも根管治療や特定分野における治療効果とそれに伴う収益性向上への強いニーズが裏付けられています。実際に自費診療率についての回答をまとめたところ、顕微鏡未所有者においては自費診療率0~20%未満が1番のボリュームゾーンで53%でしたが、顕微鏡所有者においては、0~20%未満の割合が28%まで減り、20~40%未満が1番のボリュームゾーンとなり、42%でした。
グラフ2

3.顕微鏡の機能に対する期待

  • 姿勢と視野の最適化」への関心:身体的負担を軽減し、日常診療の継続性を高めるエルゴノミクス機能に高い関心が寄せらせました。ぜひ・やや使ってみたいという回答は、焦点距離調節で無理のない姿勢が可能なバリオスコープに66%、首や腰への負担軽減が期待できるMORAインターフェースに64%、折り畳み構造により姿勢維持が可能なフォルダブル鏡筒に63%で得られました。
  • 精密治療の質を高める機能」への期待:精密治療の質をさらに高めるため、術野の可視化と最適化を可能にする技術にも高い期待が寄せられました。ぜひ・やや使ってみたいという回答は、歯科材料の硬化に対する影響を低減するTrue Lightモード61%、う蝕やレジンを色別する蛍光モードに58%、光の反射を抑えるNo Glareモードに56%で得られ、こうした照明機能による作業効率や治療効果の向上に対する潜在的な期待が示されました。
  • 考察:歯科医師は、長時間にわたる精密作業に伴う身体的疲労を深刻な課題と認識しており、顕微鏡を日常診療に組み込むための実用性と継続性を求めています。次いで、作業効率や治療効果の向上につながる顕微鏡機能については潜在的な期待が示され、今後の認知度向上と教育実施が普及への鍵であると考えられます。これは、顕微鏡導入が「技術力」向上に加え、「働き方改革」にも直結することを示しています。


 

今後の展望:精密歯科医療の未来を創造するための教育イベント

カールツァイスメディテック株式会社は、この調査結果から得られた詳細なインサイトに基づき、顕微鏡が歯科医療の未来を握る 1つの鍵である、という認識のもと、普及戦略を加速します。代表取締役のヴィンセント・マチューは以下のようにコメントしています。

「日本の歯科医療現場が求めるのは、『導入課題をクリアし、収益にも貢献する現実的なソリューション』です。昨今では歯科医師のみならず、歯科衛生士によるメインテナンスにおいても歯科用顕微鏡の活用がすすんでいる、と聞いています。これは世界的にみて大変珍しく、患者へ最良の治療を提供しようとする医療現場の姿勢に敬意を表します。今後、代理店の白水貿易株式会社様、株式会社ジーシー様と連携し、『使ってみたい』と回答した37%の潜在層をターゲットへの精密治療のさらなる普及を目指します。また、導入課題としての習熟までのラーニングカーブを短縮すべく、教育プログラムの強化を進めてまいります。第一弾として、弊社は創立180年を記念し、国内外のエキスパートを招聘し、東京・竹芝において「ZEISS DENTAL FORUM 2026」を開催する所存です。歯科医師の皆様のご参加登録をお待ちしております。」

ZEISS DENTAL FORUM 2026
実施期間:2026年6月20日~2026年6月21日
開催場所:東京ポートシティ竹芝
登壇者:国内外のマイクロ歯科治療エキスパート12名
定員 :250名

調査概要
調査目的:歯科用顕微鏡の利用状況と機器への投資動向を理解する。
調査対象:歯科医師(200名)
調査タイプ:オンライン調査実施期間 2025年9月24日~2025年9月25日

 

カールツァイスメディテック株式会社について
ZEISSのメディカルテクノロジー部門として眼科疾患の診断や治療をサポートする総合ソリューションとマイクロサージェリー分野において革新的な視覚化ソリューションを提供しています。医療テクノロジーとイノベーションに基づく幅広いアプリケーションによって医療従事者をサポートします。

ZEISSについて
ZEISSは、1846年にドイツで創業した光学技術を用いた事業を多角的に展開する国際的なリーディングカンパニーです。日本には1911年に設立したカールツァイス株式会社、カールツァイスメディテック株式会社、カールツァイスビジョンジャパン株式会社の3つの法人があります。4つのセグメント(半導体製造技術、産業品質・研究、医療技術、消費者市場)で事業を展開し、売上高100億ユーロを超えるグローバル企業です。工業計測、品質保証、ライフサイエンス、材料研究、眼科、マイクロサージェリーなど、様々な分野で革新的なソリューションを提供しており、世界中で高い評価を得ています。2023年現在、売上高の15%を研究開発に投資しており、約43,000人の従業員、約30の生産拠点、60の販売・サービス会社、27の研究開発施設を擁し、約50カ国で事業を展開しています。また、オーナーであるカールツァイス財団は、科学の振興を目的とするドイツ最大級の財団です。
更に詳しい情報はグローバルサイト( http://www.zeiss.com )でご覧いただけます。

お問い合わせ
コーポレートサイト:https://www.zeiss.co.jp/meditec/home.html
プレスリリースに関するお問い合わせ:https://www.zeiss.co.jp/meditec/about-us/contact-us.html



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