医療従事者による治療説明

乱視治療としてのLASIK

乱視によるハロー*とグレア**

もし、視界がぼやけたり、特に夜間に光を見るときにハロー*(光の輪)やグレア**を感じる場合、乱視の可能性があります。乱視はよくある症状で、目の前面(角膜)や目の中のレンズにカーブの不均一が生じることで発症します。そのため、入ってくる光は不均一に屈折し、画像は目の奥に焦点が合わない状態で届きます。乱視によるぼやけた視界は、遠くのものに焦点を合わせるときや長時間画面やモニターを見続けるときに、頭痛や眼精疲労を引き起こすことがあります。

LASIKは乱視を治療するためによく用いられる治療法であり、他の視力矯正手術と同様に視力改善のための選択肢となります2。レーザー視力矯正は、乱視が近視や遠視など他の症状と関連している場合に特に効果的で、一度の手術で複数の視力の問題を矯正できる場合があります。

 

*ハローは光の周りに輪郭が見える現象
**グレアは光が強くまぶしく見える現象です。

乱視を伴う近視または遠視

レーザー視力矯正は視力を改善に効果的?

近眼(近視)は、遠くの物がはっきり見えない状態を指します。一方、遠視は、遠くの物は焦点が合うものの、近くの物がぼやけて見える状態です。年齢に関係なく、誰でもこうした状態になることがあります。

また、近視や遠視に乱視が伴うことは珍しくありません。乱視の原因は確かではありませんが、あらゆる年齢層で発症する可能性があります。治療せずに放置すると、片方の目の入力を脳が優先する「弱視」(いわゆる「斜視」)につながる場合があります。

乱視と近視が併発している場合は、LASIKやSMILEなどのレーザー視力矯正手術が視力改善の解決策となる可能性があります。

乱視治療のためのLASIKに関するよくある質問

  • 乱視がLASIKで治療できるかどうかを疑問に思っている方も多いかと思いますが、通常その答えは「はい」です。乱視はLASIKの適用外であるという誤解がよくあります。しかし、実際には、LASIKは長年にわたり多くの種類の乱視の治療に使われてきました。

  • LASIKは角膜の形状を調整する手術であるため、稀なケースではありますが、重度の乱視には適していません。また、円錐角膜やペルーシド角膜変性など、通常は稀な病状による乱視もレーザー視力矯正手術の適用外です。

  • レーザー視力矯正の正確な費用を示すのは難しいですが、総費用は様々な要因によって決まります。しかし、多くの患者がLASIKによる乱視矯正を視力への長期的な投資と捉えています。LASIKによってメガネやコンタクトレンズの定期購入費用を削減できるため、長いスパンで見れば手術費用を回収できる可能性があります。


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    このサイトは医療従事者に対しての基本的な治療に関する情報提供を目的としており、患者にとって医師による診断や医師との相談の代替となるものではありません。屈折矯正手術の際に考えられるリスク、副作用、制約事項については、必ず患者は医師との相談を通じて確認します。治療の選択肢は国によって承認状況や提供状況が異なり、承認内容や使用方法の説明も国ごとに異なる場合があります。

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    日本眼科学会. 屈折矯正手術のガイドライン(第8版). 日眼会誌. 2024;128(2):135-138. https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/refractivesurgery_8.pdf