医療従事者による治療説明

LASIKの安全性

起こり得る合併症と副作用

LASIK手術前に、総合的な健康チェックを行い、全身の健康状態と目の状態を確認します。その後、メガネやコンタクトレンズの依存を軽減または解消するという視力改善の目標を達成するために、医師が最適な治療法を提案します。

しかし、あらゆる医療処置と同様に、LASIK手術にも合併症や副作用が起こり得る可能性があります。手術後に以下のような症状が出た場合は、患者はすぐに医師に連絡し、指示に従います。

手術後の合併症

LASIKによる視力回復

LASIK治療後、多くの患者が視力が改善したと答えますが、すべての人が完璧な視力回復を得られるわけではありません。LASIKでも残った屈折異常を矯正できない場合もあります。そのため、状況次第では、引き続きメガネやコンタクトレンズが必要になる場合があります。

手術後、特に夜間に光の周りにハロー*やグレア**が見えることがあります。また、以前に強度の近視があった場合、視界がぼやけて見えることもあります。また、稀に手術後に複視(ダブルビジョン)を経験することがあります。複視とは、物が二重に見えたり、焦点が合わなくなったりする状態です。

これらの視力に関する問題が生じた場合は、患者は眼科医に連絡します。

*ハローは光の周りに輪郭が見える現象
**グレアは光が強くまぶしく見える現象です。

LASIKレーザー視力矯正の副作用

LASIK手術後の状態の特定と対処方法

レーザー視力矯正後の最も一般的な副作用の一つは、目の乾燥とかゆみです。ドライアイの既往歴があるかは、初診時に必ず眼科医が確認します。眼科医は、LASIK手術が患者に適しているかどうかを検査します。

手術の結果、目が十分な涙を分泌できなくなることがあります。これにより、不快感、かゆみ、時には視力の変動が生じることがあります。ドライアイは通常、人工涙液や点眼薬で治療され、ほとんどの場合、患者は3~6ヶ月後に症状が改善したと答えています。ただし、赤み、痛み、視力の低下が見られた場合は、目の感染症の可能性があるため、患者はすぐに医師に相談します。早期に診断を受けられれば、感染症は処方薬の点眼薬で治療・回復が可能です。適切に治療しないと、感染症は目に深刻な損傷を与える可能性があります。

LASIKに関連する医療リスク

角膜拡張症やフラップ関連の合併症

角膜拡張症

角膜拡張症とは、角膜が薄くなる一連の状態を指します。これには円錐角膜、球状角膜、ペルーシド角膜変性、テリエン周辺角膜変性などが含まれます。その結果、角膜の内層が弱くなり、目が前方に膨らむことがあります。これらの状態は、術後期間にかかわらず発症する可能性があり、数年後に発症することもあります。視力を回復させるために、メガネやコンタクトレンズの装着が必要になる場合もあります。極端な場合、角膜移植が必要になることもあります。したがって、視力に変化を感じた場合は、必ず眼科医の診察を受けます。

このリスクをできるかぎり避けるために診断時に医師が患者の角膜の厚さを確認します。

フラップ*関連の合併症

LASIK手術では角膜にフラップ*を作成するため、手術後に感染症、炎症、フラップのずれなどの、フラップに関連する合併症が発生する可能性があります。

これらの合併症が発生した患者は、必ず眼科医の診察を受けます。

*「フラップ」とは、レーシック手術において角膜表面を薄くスライスして作る蓋のこと

LASIKレーザー視力矯正の副作用:
よくあるご質問

  • レーザー視力矯正手術の前後には、患者が眼科医の指示に従うことが重要です。処方された薬や目薬は必ず指示通りに使用します。副作用が全くないとは言い切れませんが、医師の指示に従うことで、合併症が起こる可能性を抑えることができます。ただし、すべての指示を守っても、軽い違和感(かゆみ、涙、焼けるような感覚など)を感じる場合があります。

  • レーザー視力矯正を受ける理由はメガネへの依存度を減らすことですが、特定の活動(読書など)には引き続きメガネが必要になることがあります。強度の近視がある場合、LASIKでは完全に視力を矯正できないことがあり、その場合は遠くのものを見る際に問題が生じる場合があります。また、誰もが最終的には「老眼」と呼ばれる状態になります。これは、目が徐々に近くの物を見る能力を失っていく現象で、加齢に伴う自然な変化です。レーザー視力矯正はこのプロセスを止めることも、早めることもありません。近くのものに焦点を合わせにくいと感じ始めた患者は、眼科医に相談します。眼科医はモノビジョン手術を提案したり、単に老眼鏡の着用を勧めるかもしれません。

  • 手術後、夜間に運転していると、ヘッドライトのまぶしさを感じたり、街灯の周りにハロー(光の輪)が見えたりすることがあります。これは一般的な副作用であるため、症状が治まるまで数日間運転を避けることを検討したほうが良いかもしれません。

  • はい。ZEISS SMILEによるレンチクル摘出術は、約4 mmの小さな切開をして視力を矯正する低侵襲の手術です。また、手術中にフラップを作成しないため、フラップに関連する合併症のリスクはありません2。ZEISS SMILEの詳細についてはこちらをご覧ください。また、眼鏡技師、検眼士、または眼科医と患者が相談することで、患者に合った選択かどうかを検討します。


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    このサイトは医療従事者に対しての基本的な治療に関する情報提供を目的としており、患者にとって医師による診断や医師との相談の代替となるものではありません。屈折矯正手術の際に考えられるリスク、副作用、制約事項については、必ず患者は医師との相談を通じて確認します。治療の選択肢は国によって承認状況や提供状況が異なり、承認内容や使用方法の説明も国ごとに異なる場合があります。

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    Moshirfar M, Somani SN, Patel BC. Small Incision Lenticule Extraction. [Internet]. In: StatPearls. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025 Jan– [cited 2025 Sep 6]. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK549896/. PMID: 31751086. Original text: "Furthermore, the small incision of SMILE was theorized to reduce injury to the subbasal nerve plexus and avoid flap-related complications."