医療従事者による治療説明

LASIK手術後の回復

視力が改善するのにかかる期間は?

レーザー視力矯正を受けた後、患者はできるだけ早く日常生活に戻りたいと思うでしょう。しかし、目を休ませて回復を促すことが大切です。LASIK後の回復を早めるためにはいくつか注意すべき点がありますが、手術後は眼科医の指示に従うことが何よりも重要です。眼科医は、運転や水泳、コンタクトスポーツなどの特定の活動を再開できる時期についてもアドバイスします。

LASIK手術後の回復

レーザー視力矯正後の回復の段階
  • LASIK手術直後

    手術直後に、術後の角膜の回復を促進するための点眼を行います。また、次の数週間にわたって点眼する追加の目薬も処方されます。

    治療直後は運転を避ける必要があるため、クリニックや病院から帰宅するための手段を事前に手配します。帰宅後、少し休むか、可能であれば昼寝をとります。

    手術直後の数時間は、一時的に視界が不安定になったり、光に敏感になったり、ハロー(光の輪)が見えることがあります。多くの場合、これらの症状は時間と共に消えていきます。また、擦りたくなっても、患者は目を触らないようにします。

  • LASIK手術後の数日間

    目を触ったりこすったりするのは、例えかゆく感じても避けます。角膜を損傷する可能性があるためです。目をこするのを防ぎ、回復を助けるために、保護用のアイシールドを着用することを勧めることもあります。顔を洗ったりシャワーを浴びたりするのは問題ありませんが、LASIK手術後は直接目に水をかけるのを避けます。

    処方された目薬を指示通りに使い続けます。患者は指示をよく守り、回復するまで最後までしっかりと続けます。この目薬は、ドライアイなどの副作用を軽減するのにも役立つため、適切に点眼します。

    また、回復が順調に進んでいるか確認するために、患者は眼科医の指示に従って術後の検診を欠かさず受けることが重要です。

  • LASIK手術後の数週間

    手術から回復が進むにつれて、患者は活動を再開したくなりますが、安全に再開できるタイミングについては、必ず眼科医が指示を行い、患者はそれに従います。外出する際は、紫外線から目を守るために、UVカット効果の高いサングラスをかけることをお勧めします。また、空気中の粒子が目を刺激し、回復に影響を与えることがあるため、煙や埃の多い環境を避けます。予防措置として、クリームの使用やメイクも控えます。

    回復期間中は、患者が医師と連絡を取り合うことが重要です。医師は、仕事に戻る時期、スポーツや高強度の活動を再開する時期、メイクを再開する時期についてアドバイスします。

LASIK手術の回復期間

LASIK手術からの回復期間は患者によってさまざまです。LASIK手術自体は30分程度で終了し、通常、軽い日常活動は数日後に再開できます。

LASIK手術は角膜にフラップ*を作成するため、SMILEなどのレンチクル摘出術のような低侵襲屈折矯正手術に比べて、回復に時間がかかる場合があります。フラップ*は自然に治癒しますが、癒着するまでに時間がかかります。その間、フラップ*がずれる可能性があり、それにより回復期間が長引くことがあります。

*「フラップ」とは、レーシック手術において角膜表面を薄くスライスして作る蓋のこと

SMILEで早期回復

低侵襲手術について詳しく知る

SMILEによるレーザー視力矯正が患者に適しているかどうか、眼科医が判断します。SMILEを用いたレンチクル摘出術は、低侵襲の手術です。この手術では、フラップを作成する代わりに角膜表面に小さな切開を施します。この方法は、LASIKよりもSMILEの方が角膜の回復が早く2、角膜フラップに関連する合併症のリスクも低くなります3

LASIK手術の回復期間に関するよくある質問

  • 回復期間は患者によって異なりますが、回復を早めるために術後の注意点がいくつかあります。例えば、目をこすらないことや、埃っぽい環境を避けることが重要です。最も大切なのは、医師の指示に従うことです。指示に従って、目薬やその他の薬を使用したり、特定の場合にアイシールドを着用することが求められます。また、回復を早く安全に進めるために、薬や目薬は指示通りに使用することが重要です。

  • 米国でレーザー視力矯正を規制しているFDAによると、LASIK手術後視力が完全に安定するまでには、3〜6ヶ月ほどかかる場合があります。一方で、低侵襲手術のSMILEなら、約4 mmの小さな切開だけで治療が可能です。SMILEではフラップを作成したり角膜の表層を取り除いたりする必要がないため、低侵襲で行う屈折矯正手術となることから回復期間が短く、LASIKと比べて早い回復が期待できます2


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    このサイトは医療従事者に対しての基本的な治療に関する情報提供を目的としており、患者にとって医師による診断や医師との相談の代替となるものではありません。屈折矯正手術の際に考えられるリスク、副作用、制約事項については、必ず患者は医師との相談を通じて確認します。治療の選択肢は国によって承認状況や提供状況が異なり、承認内容や使用方法の説明も国ごとに異なる場合があります。

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    Reinstein, D. Z., Archer, T. J., & Gobbe, M. (2014). Small incision lenticule extraction (SMILE) for myopia and myopic astigmatism: A review. Eye and Vision, 1(1), 3. https://doi.org/10.1186/s40662-014-0003-1